日本の終末期医療で本人より家族の意思が優先されてきた理由
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3月までたくさんの方々を看取ってきた経験から思うことは、「自分が死ぬ事」について全然考えてこなかった人がほとんど、という事。
今際の際になって「あれがしたい」とか「これは嫌だ」とか家族も含めて無謀な事を実行に移そうとするからそれを取り巻く医療関係者とかに無理が来ちゃうんだと思うんです。
どう生きるべきか、と同じくらいどう死ぬべきかも考えるような思考転換が起きれば、もっと幸せだと思える最期が迎えられる可能性が高くなるんじゃないかな、と。終末期医療の大事なことは、地域と本人と家族と医療/ケア職が一緒になって「良質な慢性期医療」が提供できることでしょう。病院と一口にいっても高度急性期医療〜慢性期医療まで幅がありますから。その解決策の一つは情報連携システムの構築だと考えます。
本人もしくは本人にもっとも近い家族等の人たちからの情報がBDに共有できていたら、離れている家族も納得するんではないでしょうかね。人生の最終段階で自分より家族の苦労を心配するのは極めて日本人らしい。学生時代の指導医は、判断ができない本人に代わって家族が判断するとき、こういう問いをしていた。「本人が元気だったら、どういう判断をしていたと思いますか?」と。そのために、患者の若い頃の写真を持ってきてもらうこともあるとのことだった。家族に都合良い判断ではなく、本人にとって最もベストな選択をしてもらうことこそ本人にとっても家族にとっても納得出来る人生の最終段階なのではないでしょうか。