北朝鮮 核実験とICBM発射実験中止 核実験場も廃棄と発表
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朝鮮中央通信の報道ですから、北朝鮮の公式発表ということになります。
このタイミングでこうした発表をしたということは、ここ数日伝えられてきた、アメリカとの水面下での接触に対する、北朝鮮からアメリカへの回答と見るべきでしょうね。
何れにせよこれで一部で噂されてきたアメリカの軍事介入は現実味を失いました。
今や北朝鮮の方が平和を演出しているように見え、アメリカの攻撃の可能性を回避しつつ、一方で北朝鮮はすでに完成した核と弾道ミサイルを武器に、優位に交渉を進める環境を作り出しています。
元々これ見よがしな核と弾道ミサイルの実験そのものは、アメリカを直接交渉に引っ張りだすための外交的道具、あるいはデモンストレーションでした。
その意味で、ICBMも核も完成し、アメリカとの直接交渉という外交的目的を達成した今となっては、実験=デモを止めるというこの声明は何も失うもののない、ある意味の既定路線だったともいえます。
又破棄されるとの報道の核実験場も、昨年の水爆実験の際一部が崩落したと伝えられており、修理するより、放棄して平和アピールに使った方がパフォーマンスがいい、という計算も成り立ちます。
硬軟を巧みに使い分ける金正恩委員長の駆け引きに、暫く日本や国際社会は翻弄されることになるでしょうね。あくまでも「核戦力が完成したのでこれ以上の実験は必要なくなった」というスタンスですね。米朝首脳会談を前に一定の手土産は用意したが、非核化はしないというメッセージでもあるように思います。
また、この声明では大陸間弾道ミサイルと中距離弾道ミサイルの発射を凍結するとしていますから、米本土とグアムは射程から外す、ただし日韓を射程に収める準中距離ミサイルと短距離ミサイルは凍結しない、ということになります。
トランプ大統領はTwitterで北朝鮮の声明を好意的に評価しているようですが、実際の米朝首脳会談で具体的にどういう落とし所へ持って行くのか、非常に気になるところです。