日産・ルノー、資本関係の変更検討 ゴーン氏が表明
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2022年までに決めたいということ。すなわち今回再任されたルノーCEOの任期期間中にということ。経営統合や出資関係の見直しを含めすべての選択肢に対してオープンだという。
目指すものは不可逆的でポストゴーン時代でも両社のアライアンスをさらに高める新しい仕組みだ。
日経のインタビュー記事であり、捉え方でメッセージは変わる可能性もあり、何が真意かは記事からは明白ではない。直接ゴーン氏と会話が持ちたいものだ。5月の決算発表に是非出席してもらいたい。
ゴーン氏はルノー日産が独立し互いを尊重するアライアンスを守り続けた人物だ。愚かな結論にやすやすとは向かわないだろう。
望まれるのは、様々なステークホルダーが納得できる最良の決断を下せるように、強力でフェアなガバナンスの大家を外部独立取締役へ迎え、オープンな議論を行ってもらうことではないか。実はこの話はとても深いものを示唆している。企業の合併は必ずしも正しいのか、という命題だ。私の古巣、日産はルノーとアライアンス、という形でここまで規模を拡大してきた。これまで数多くの自動車会社が合併しては離婚を繰り返してきた。違う文化の巨大企業が合併してうまくいったケースよりうまくいかなかったケースの方が多いだろう。それほど、企業合併は簡単なものではない。ましてそこに政府の関与が入ってくるとなると、話は余計ややこしくなる。マクロン大統領はもともと日産―ルノー合併論者。ゴーン氏も追い詰められているのかもしれない。前回のようなウルトラCで切り抜けられるのかどうか、まだわからない。
日本の会社とフランスの会社とが、法律上「合併」することはできない。なぜなら、日本の会社法上の「合併」と全く同じ法律要件・効果のあるフランスの会社法上の「合併」が存在しないからだ。
持株会社方式でよいではないか?
資本関係をさわると、余分なコストがかかり、事業構造が複雑になりすぎる感じがある。
初物を作り上げ、手柄を立てたい専門家(FA、弁護士、会計士)、が提案してくる尖った提案は聞き置いておけばよい。
会社の「合併」にこだわるのではなく、どの機能をどこまで統合するか、つまり、事実上の「合併」を考えた方がよいと言うのが、10年前に検討したときの結論だった。
さらに、日産とルノーとの株式の相互保有は、資本の空洞化と経営者の支配の濫用という法理論上の問題と、企業価値評価の歪曲と少数株主の利益の毀損という投資理論上の問題とがある。組織的にも、経営責任の所在が不明確になる持たれあいが生じる。
両社の繋がりは、中途半端な資本関係ではなく、事業は機能統合で、経営は統制被統制の権力関係の明確化で確保すべきだと考えた。
株式の相互保有は止めるべきだ。←提言
両社アライアンスの創設時に期待された、株式持ち合いの歴史的役割は既に果たした。今や不要物となっている。たとえば、日産の保有するルノー株式は議決権もなく、投資メリットもないから、日産にとっては不要。ルノー株式に投資するよりメリットのある投資機会を逸失している。
ゴンさんは、従来型の資本関係を基盤とする方式ではなく、人の組織・やる気の関係を基盤とする方式に依存した統合経営をアライアンスで具体化すること考えているのかもしれない。←期待