【超解説】これだけは知りたい、トランプ政権が壊した6つのこと
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トランプ大統領の従来の国際規範を無視した外交、支持基盤のみを意識した「米国第一主義」、事実を歪曲したデマゴーグ的発言、野卑で扇動的な言葉遣いは、米国政治の劣化を端的に示しています。
トランプ大統領の中国、北朝鮮、ロシア、通商問題、中東、同盟関係への対応の深刻性を評価すると同時に、トランプ大統領が世界に与えた最も大きなダメージは何かについて考えました。
なお、最近、鉄鋼製品などに制裁関税が導入される際に、欧州、オーストラリア、韓国、アルゼンチン、ブラジルなどが同盟国として適用除外される一方で、日本は適用除外されませんでした。
安倍首相が今月17日〜20日に訪米しトランプ大統領と会談する予定ですが、トランプ外交の本質を見極めることが、政権2年目への対応で極めて重要です。
注目のコメント
トランプ政権ほど、1週間単位、1日単位で動きがあり、外国の政府を振り回す政権も珍しいでしょう。TPPや気候変動のパリ合意から離脱し、いまはイランとの核合意からの離脱を検討。さらには数十年にわたって世界経済の成長に貢献してきた自由貿易の枠組みに反旗を翻そうとしています。
毎日のように重大ニュースを塗り替えているだけに、トランプ政権が発足して15カ月の間にどれだけのことが起きたか、つい見失いがちです。
ここで一度立ち止まり、トランプ外交によって世界にどのような影響が生じてきたか、長年ワシントン政治を見詰めてきた秋元諭宏さんに整理・分析してもらいました。トランプ氏が壊したのか、それとも壊れかけていたものがトランプ政権になってからいよいよ壊れたのか、判断が難しいところもあります。仮にトランプ氏が壊したとしても、当選前から彼が公言していたことを政権についてから実行しているだけなので、有権者が彼を選ぶことで壊した、ともいえます。
アメリカの覇権と繁栄を支えてきた国際秩序が機能しにくくなっていた、ということはいえます。中国の台頭もロシアの策謀も、中東の混迷も、トランプ氏のせいで起きたことではありません。特にオバマ政権あたりは、それらについて無策で為すことなく手をこまねいていた、といえます。通貨政策や貿易政策を含む経済面でも、安全保障の面でも、限界に達しつつある、と見ていた人はトランプ氏の支持者以外にもいたでしょう。
企業でいえば収益が上がらなくなり、同業他社、中国企業あたりが大きな収益を上げるようになってきた、という状況です。単に従来手がけてきた事業から撤退する、コストを切り詰める、というだけでは収益を回復するのには十分とはいえません。新たに収益を上げる方法、新しいビジネス・モデルが欲しいところです。トランプ政権は、その点でいえば米国の覇権と繁栄を回復させる十分な策を持っているのか大いに疑わしいところではあります。
米国は元々内向きなところがある国で、国際秩序の構築も、20世紀になって急ごしらえの専門家たちを多数養成して何とかやりくりしてきました。それは、大多数の米国民の意識からはかけ離れた発想で為されてきたところがあります。20世紀になるまで国際秩序の中心になるなどどは思ってもいなかった国なので、準備ができていなかったところはあります。中国のことなども、よく知っている人などは非常に稀でしょう。内向きになってしまいやすい素地は元々ありました。そうはいっても中国やEUに代わりが務まるわけではないので、米国による国際秩序の立て直し以外に好ましい選択肢も見当たりません。世界で最も批判され、嫌われている人の一人ではないかと思っていましたが、国内での支持率は50%と歴代大統領と比べても遜色ないんですね
トランプ支持率 https://www.houdoukyoku.jp/posts/26869
歴代大統領支持率 http://www.american-presidents.info/approvalrates.html#12