この連載について
独自の視点と卓越した才能を持ち、さまざまな分野の最前線で活躍するトップランナーたち。これらのイノベーターたちは今、何に注目し、何に挑んでいるのか。毎週2人のイノベーターたちに、さまざまなテーマで大いに語ってもらう対談企画。
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移動体通信(au)・固定通信・グローバル通信を運営する総合通信事業者。傘下に沖縄セルラー電話、CATV業界大手のJCOMなどをもつ。金融、エネルギー事業なども展開。
時価総額
10.5 兆円
業績
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日本の新産業育成、再成長のためには、資金の流れの本流たる機関投資家のお金と大企業からのお金を成長産業に呼び込むことが必須だと思う。
そして、その新産業がベンチャーとして大きくなるのか、大企業の新規事業とし大きくなるのか、どの”箱”として成長するかに必要以上に拘っていては、世界的な競争の中で負けてしまうと思う。
その点、大企業は自らの成長のために、KDDIのようにオープンイノベーションを活用して、新たな成長の芽を取り込むことが必要だと思うし、スタートアップにとっても、自”社”ではなく事業が大企業に育まれ大きくなっていくこともうまく活用するのも手だと思う。
オープンイノベーションは、庭遊びに例えると分かりやすい、と考えています。
大企業は、庭を持っている家主タイプか、庭で遊ぶおもちゃを持っている物持ちタイプかに分かれます。
今回のKDDI さんや、鉄道会社、インフラ系は、家主タイプ。
素材とか、消費財メーカーは、物持ちタイプ。
もう、ザックリいって、オープンイノベーションは家主タイプに圧倒的に向いていて、物持ちタイプがうまくいくケースってなかなかないのでは、と考えます。
家主タイプは、庭を解放して、「この中で好きに遊んでいいよ」とベンチャーなり、ほかの企業を呼び込みます。解くべき課題が何かは、遊びに来る方が設定するケースが多い。
物持ちタイプは、「こんなおもちゃがあるけど、新しい遊び方、ないかな?」というやり方になりがちです。「一緒に新しいおもちゃを作ろうよ」というケースもありますが、解くべき課題を設定するところがうまくいかなかったり、物持ちタイプは、時として、おもちゃの説明書を全部渡さなかったりします。こういうのを、「ごっこ」と言われてしまうのかもしれません。
根底には、解くべき課題の設定がそもそもネック、という仮説があるわけですが。
物持ちタイプとしては、家主タイプから、何か盗めるものがないか、と、この連載を楽しみに読みます。
「ベンチャーのみなさん、どうKDDIを利用して成長するかを考えてください。KDDIのメリットを考える必要は一切ありません」と、以前髙橋さんは語られていました。
このような思想が根底にあると、ベンチャーとしても、アーリーステージで囲い込まれてしまうのではないかという不安が払拭されます。
もし「他の通信キャリアとは提携しないでくださいね」などと言ってしまったら、来るべきベンチャーも来なくなります。
こんなことはオープンイノベーションの基本のキであるのですが、ここからつまづいている大企業の「オープンイノベーション」プロジェクトのなんと多いことか。
高宮さんが「ごっこ」と対比した正しいオープンイノベーションの話をされていますが、それが「ごっこ」かどうかの重要なメルクマールの一つとして、上記の点を意識されるといいと思います。
「箱」の中に入ってしまうスケールの事業ではなくて、本体も取り込んでしまうくらいのスケールの世界観を作ることをしたいです。オープンイノベーションとベンチャーキャピタルの大きな違いは、ある程度成長したら本体とは競業であったり、既存サービスのAlternativeとなりうるところにあると思う。
大企業との座組については、色々と課題も多いと思いますが、経験した人だけが得られる経験値は大きい。失敗しても、それでもやり続ける粘り強さが必要なのだと思います。
制約が多いと良いアイデアは生まれず、良いアライアンスも成り立たない。