富士フイルム、JXTG傘下の培地2社を約850億円で買収
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記事を見て海外企業かと思ったら、下記会社リリース(①)を見ると親会社はJX。有報見ても見当たらないが、会社HP(②)いくとJXTGグループとある。40年以上の歴史を持つ企業でポッと出てきたバイオ企業という感じではなさそう。
バイオ医薬品向けの培地のメーカー。バイオ医薬品ってそもそも何なのかという点では、単純化すると人体内の抗体・酵素に似た分子で分子数が多い化合物(伝統的な医薬品は低分子)。製造が一般論としては難しいとされていて、培地によって歩留まりなども変わるのだったら、結構スイッチングコストが高そうな領域(ほとんど知見がない分野につき、専門家の方のコメント頂けると嬉しいです!)。
なお、8億ドルでの買収だが、JXTGの2018年3月期への業績は軽微というリリース(③)も出ている。ちなみにJXは昨日業績修正を出した。ただ様々なものの組み合わせ。あと、今回のは買収契約の締結であって実際の買収が完了したわけではないので「今期について影響が軽微」という意味だと思う。簿価がいくらなのか分からないが8億ドルだったら昨日リリース出してそれに入っていない中で影響軽微というほどではないと思うので。
①http://bit.ly/2pPCSaB
②http://www.irvinesci.com/about-us
③https://www.release.tdnet.info/inbs/140120180327498604.pdf写真フィルムは、そもそも生体高分子のコラーゲンを主要な構成要素として、何種類もの化合物を適切に配置し、多様な化学反応をコントロールする精密化学製品です。これが生物の細胞培養におけるコントロールと技術的に相似しているため、富士フィルムは再生医療分野への事業展開を進めているようです。
今回買収対象に挙がっているアイエスジャパンは下記HPにもあるように、再生医療分野の培地を主力製品として保持していると考えられます。富士フィルムは再生医療事業における垂直統合を買収における主目的としているのでしょう。
http://www.isj.jx-group.co.jp/products/regenerative-medicine/index.htmlあまり認知されていないようなのですが、世界の医薬品売上高において、上位のほとんどが既にバイオ医薬品になっています。
医薬品製造ではGMPの関係もあり、決まった仕様を変えることが少ないため(というか多大な手間がかかるため)、既に培地として供給されている場合には比較的安定的な利益が見込めます。
と、一般的な知識だけ書いておきます。
この会社がどうかとかはさっぱり存じ上げないので、あとは業界の方よろしくお願いします。