米、中国の知財侵害を認定=5.3兆円の関税適用へ
コメント
注目のコメント
先日、特許庁ウェブサイトで公表された、日本の2017年度の模倣被害実態調査報告書でも、模倣品の製造国・経由国・販売提供国のいずれも中国が最多であるとの調査結果が出ていました。
一方で、模倣被害対策をしていない日本企業も多数との結果が出ており、日本で知財侵害製品をのさばらせている原因の1つといえそうです。対策としては、侵害品が輸入される前に、税関で水際対策をとることが考えられますが、現在の税関の差止申立は、権利内容を記載した申立書に加え、侵害疑義物品の特徴等を記載した所定の資料等を添付して税関に提出しなければならず、非常に手間と時間がかかります。せめてオンライン申請くらいはできるようにしてほしいものです。鉄・アルミの輸入制限には米国内にも反論がありましたが、その反面で「中国に対してはやらざるを得ない」という雰囲気が強かったのが事実です。辞任したコーン補佐官などまでが対中強硬策を支持していた背景には、「中国の知財問題であれば国際的な連携が取れる筈であり、米国が単独行動で批判されるリスクは小さい」という計算がありました。言い換えれば、「米国第一主義」を受け入れやすくする安全弁として考えられていた面があります。
実際には、米国が単独で動く結果となってしまいましたので、日本を含めた第三国としては、「単独行動は問題」との立場で臨むことになる一方で、根底にある中国の知財問題をどうするのか、複雑な対応を迫られそうです。
一歩引いてみると、むしろ標的とされた中国の方が、政治的に安定していることもあり、米国・第三国と比較して、もっとも余裕のある対応がとれるのかもしれません。中国は基本的に話し合いによって問題を解決したいと思っていますが、高い関税を課税する、知的財産の侵害を認定して課税を高める、などなどの手段を取ると、すぐ折れてアメリカの言う通りにやるなんかはないと思います。
貿易戦争によって中国の損は大きいとも思われます。
でも戦争を仕掛けてきたら、まったく無抵抗ということもありません。
巨大な国内市場を背景にして貿易の拡大をいちじできなくなりますが、アメリカの貿易戦争には応戦していくでしょう。