トルコ、越境作戦で勝利宣言=シリア北西部の町「制圧」
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トルコによるシリアのクルド支配地域ロジャヴァの一つ、アフリン・カントンへの侵攻作戦「オリーブの枝」は作戦開始2ヶ月にして、その中心都市アフリン市が陥落しトルコ及びその同盟軍である自由シリア軍の勝利で幕を閉じました。
最終段階でクルド統一民主党人民防衛隊(PYD)は、シリア政府に援助を求めましたが、シリア政府も本格系な介入に至らず、結果的にトルコと領域を分け合う形にとどまりました。
オリーブの枝作戦でトルコは、平野部から機甲師団を使って速攻でアフリンを落とすのではなく、わざわざ周囲の山岳部を最初に抑え、ゆっくりと三方向からアフリンを包囲する作戦をとりました。
当初はなぜこのような戦術をとったのかと不思議でしたが、住民に避難の時間を与え、裏返せばPYDを支持するクルド系住民を追い出し、トルコシンパの住民に置き換えることで国境地帯を安定させるという作戦であったことがわかります。
エスニッククレンジング紛いといえばそうですが、ある意味クルド人のテロと長年戦ってきたトルコの本領発揮と言えるかもしれません。
次の問題はこの後トルコがどこに向かうのか?ということです。
定石からいえばユーフラテス川の西岸におけるPYD最大の拠点マンビジ市ですが、そのままイドリブ県方向に向かう可能性も、シリアではなくイラクのカンディル山付近にあるクルド統一労働者党の拠点に向かうとの観測もあり、それによって中東情勢は大きく変化する可能性があります。
今後のトルコの動きに要注意です。