【エネルギー】なぜ「脱原発」が日本より早く進んだのか
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NEWSPICKS台湾シリーズ4回目は原発です。アジア初の脱原発が2025年に決まった台湾。福島第一原発の与えた影響「フクシマ・エフェクト」がいかに大きかったかは興味深いところです。現在も続く日本食品の輸入規制もその延長線上にある部分も大きいかもしれません。ただ、それだけではなく、事実上の日の丸原発である台湾第四原発に対して、台湾における環境運動や郷土愛としてのナショナリズム(台湾では本土化といいます)、民主化による社会運動の活発化などの複合的な要素のもとに、福島の事故が重なったように思います。台湾のデモに出てみると、脱原発というテーマのなかに、非常に多くの社会運動が包摂された結果、これまでの動きが起きていることを実感させられました。読んでいただければ幸いです。
シリーズ「台湾から学ぶ『7つのなぜ』」、これまでの記事はこちらからお読みください。https://newspicks.com/user/9530台湾は、エネルギーを自給できる国ではないこと、原子力でなければ化石燃料による火力発電にほとんど依存すること等、エネルギー事情は日本とそれほど変わりません。原子力発電だと放射性廃棄物が問題になることも同様です。日本だと高速増殖炉による核燃料サイクルといった選択肢も検討されてきましたが、台湾にとっては、独自に開発できる選択ではなかったでしょう。
台湾のエネルギー事情が日本と異なっているのは、電気事業が、公営の台湾電力公司に独占されていることです。政権の決定によって、電気事業を転換することが可能であり、国民党から民進党への政権交代と共に、大きな転換が起きました。
台湾のエネルギー事情に対して、供給が不足しているひっ迫した状況があるため、発電方法、省電力についての技術革新が待ち望まれています。台湾がその技術を独自に開発することはないかもしれませんが、その技術が持ち込まれれば、すぐさま製品化、商品化し、世界中に売り込みにいける、新ビジネスの拠点としての条件は、台湾にはあるでしょう。「奇遇というべきか、台湾電力が地元の人々を日本へ視察に連れていくと、案内されるのはいつも福島原発だったという。」
ココらへんもおおきかったでしょうね。今まで「こんな感じで安全です!」とアピールしていたものが、まさに大事故に遭っているのだから。