EU、米IT大手に3%課税へ
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これはトランプ政権の鉄鋼・アルミ輸入関税への報復とみるべきではない。元来、EUは「デジタル課税」を企画していた。それは、支店や工場など恒久的施設(PE)がなければ法人税を課税しないという国際課税の原則を改めたいという中長期的な方向性が底流にある。
もちろん、「デジタル課税」は、EUの全ての加盟国が賛成しないと実施されない。アイルランドやルクセンブルクは消極的だ。
日本でも、この「PEなければ課税なし」の原則を改正すべきか、政府税制調査会でも俎上に上っている。このニュースは、保護貿易の視点ではなく、国際課税の視点から見た方がよい。ついに域内の「デジタル売上」に課税ですか。なりふり構わなくなって来ましたね。
日本に来ている外資もそうですが、IT外資企業と取引する際、契約主体は日本法人ではなくアイルランドの法人などタックスヘイブンの国であることが多いです。取引の契約書の相手方に明記されています。
じゃあ日本法人ってなんなのか。それはサービスそのものの提供ではなく、工場やカスタマーサポートセンターである、という位置付けのようです。またまた、って突っ込みたくなりました。
5月にGDPRが施行されますが、個人情報を域内から取得する場合、その取得された個人情報が域外に出ても保護の対象になるというのが衝撃でした。欧州がやるなあと思うのは、国民国家に代わるデジタル国家についてもさまざな場で議論があることです。国民国家の枠組みでの戦いもやりつつ、デジタル国家に向けた実験もやっている。
昨年6月にボッシュ財団によるプロジェクト報告書「Data Power Dynamics: Who Runs the World in 2017」は必読だと思います。
http://kozatori7.hatenablog.com/entry/2017/06/22/003652