斜陽産業、僕ならこうして巻き返す
コメント
注目のコメント
この連載は、これまでのイノベーターズ・トークの中でも極めて白眉。それにしてはピック数が少ないのが残念。未読の方は、是非通しで全て読んでほしいくらい。
何よりも思ったのが「石川さん、そんなに話していいの?」ということ。企業観点でも個人のキャリア形成の観点でも、そして国家のグローバル競争戦略の観点でも、極めて重要な議論が提示されている。
前回もコメントしたが、B2C事業というものは、今後すべからく「体験」価値を提供するものになる。そして、そのときに重要なのは消費者の「時空を制する」という観点である。より多くの消費者の可処分時間とその消費者を取り巻く物理的空間や人的空間(人的ネットワーク)をより多く、より深く押さえた者が勝つ。まさに石川さんは、ファッションという軸でそこを押さえに掛かっているに過ぎない。
そのように「時空を制する」上で必要となるのが、教養だ。供給する体験が「価値」として需要されるものであるためには、人間あるいは社会にとってこれまで提供されなかった新しい価値である必要があるからだ。言い換えると、人間の歴史において。そして社会において、自社に「存在価値」とは何であるかを見極める必要があるということだ。それには教養は必要不可欠なものとなる。
その上で、組織としてその「存在価値」を実現するには、組織を構成する人間の「適材適所」が必要だ。石川さんは「選択と集中」という言い方をしているが、個々人の得意不得意は千差万別だ。組織を一つのピラミッドでヒエラルキ化するのではない新しい人材開発システムと評価体系、そして組織体制が重要となる。これは、実は国の教育システムを論じる際にも必要な議論だ。
とにかく、これを読んで、まずは石川さんにお会いして酒でも交わしながらお話ししたくなった。まあ、私なんぞは相手にされないかもしれないが、石川さんの考え方を知る機会を与えてくれたこの連載に感謝である。週末、この連載全部、まだ読まれていない方は是非オススメ。別に小売に限った話では全くなく、商いと理論、具象と抽象、理想と現実、両方混じっていてとても面白い!
2015年(もうそんなに前になるのか…)の石川社長のイノベーターズ・ライフも面白い!
https://newspicks.com/news/978515ファッション本論以外のところでも響く内容が随所にありました。企業の社費派遣留学に対する費用対効果は正直思うところがあるのですが、石川社長ご自身が社会人大学院に行かれているという実践の仕方は説得力高いです。
英語についても、ご縁あり仲良くしている地域の中堅企業社長が毎日オンラインの英会話を継続されており、その努力で役員以下も自然と英語に真剣に取り組むことになった事例を聞いたことがあり、トップ自らの行動力は大いに刺激を与えると感じています。
まさに現在、オランダの職場に複数いる「欧米で勉強した中国のエリート層」は本当に優秀で、教養深く、人間的に尊敬する部分が多々あります。日本の歴史観もニュートラルなケースが多く、様々な論点につき建設的な議論をし合える仲です。
従業員開発の「選択と集中」。これは同感です。日本的大企業の様々な実例として「頑張らないもの勝ち」、ある種の「共産主義」的な部分に嫌気がさして卒業するケースはあまりに多いので、昇進、待遇、裁量、機会、教育投資等の様々な観点での「従業員開発の選択と集中」によって「出る杭をきちんと出す」のは個人的に必要だと痛感しています。