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アートを知れば、国家と経済の仕組みが見えてくる

NewsPicks編集部
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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    経済は、時にチューリップの球根や宝石のような、食べられもしない使用価値の低そうなものに莫大な価値を持たせます。それは、特に多くの人々が富を蓄積した社会で起きます。絵画が商品として流通するようになったのが、チューリップの球根が暴騰したオランダを含むフランドル地方であったのは偶然ではありません。
    正確には、チューリップには鑑賞品としての使用価値があるし、宝石も装飾などに使用できます。交換価値が高まるのは、お金を出す人々が、価値を認めるからです。この点、河原で拾った石ころ等は、多くの人々が価値を認めてお金を出すことはありませんから、チューリップや宝石のような交換価値は持ちません。剰余の富は設備投資や技術革新、海外投資にも向かいますが、富の蓄積だけでは得られない充足感をもたらすもの、つまり、文化にも向かいます。
    美術史上最高の肖像画家ベラスケスはハプスブルク家のスペイン宮廷によって存在しえましたが、もう一人の最高の肖像画家レンブラントは、オランダの貿易商人らの経済的興隆によって存在しえました。オランダでは、王侯貴族よりも数の多い商人階級が、自身の肖像画や静物画を飾ることに価値を見出したため、多くの絵画が商品として流通することになりました。

    現代は、複製と写真、動画の時代です。現代においてお金を出す大多数の人々である大衆消費者は、コピーやデジタルで視覚的に表象された文化を享受することができます。また、スマートフォンで写真や動画を入手し、自分でもつくることができます。
    複製とスマートフォンの時代には、美術は産業的なデザインに吸収されるか、マンガやアニメを含む大衆文化として消費されるようになりました。購買力を持つ人々が誰であるか、という時代の変化によって、美術はその様式や表現のあり方を変えてきました。教会、王侯貴族、国民国家の政府、等々、スポンサーを変えてきました。
    複製とスマートフォンの時代は、普通に考えれば、高価な美術品を購入する必要はない時代です。しかし、これから時代はまた変わっていき、購買力を持つ層も変わっていきます。富が一部の層に偏る可能性もあります。かつて信者の動員を図る教会が、あるいは国民の動員を図る近代国家が美術に価値を見出しスポンサーとなったように、今後の時代の富の独占者が美術に価値を見出さないとも限りません。


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    スタディサプリ教育AI研究所所長、東京学芸大学大学院准教授

    面白い内容。その作品の時代背景、描かれた理由を考え、現在に思いを馳せてみると様々な視点が出てきそうですね。また、オープンにすることで得られるものというのは、アートだけではなく多くの知にも言えることと思います。

    以下、記事の内容とは少し趣は変わった話で恐縮です。海外の友人たちが東京に来る際案内することがあるのですが、彼らから聞こえる声は「東京は魅力的な街だけど、アートが少ない」です。彼らが指摘しているのは大々的な作品ではなくて、ちょっとした作品。私が見落としているだけかもしれませんが、確かに少ないなと。


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    アニマルスピリッツ 代表パートナー

    「どのようにして価値がつくのか」という側面からアートに関心を持つようになりました。
    上場株式などと似たところもあると感じる一方で、完全に所有しないと意味がなかったり(証券化しづらい)、流動性が極度に低かったりと、異なる側面も持っています。
    「資本主義社会とアートの構造が似ている」とのことですが、単純な相似形ではないからこそ、価値とは何かを考えるうえでの題材として非常に良いのだと感じます。


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