セメント世界最大手が褒め称えられる素材業界「トン売り」からの脱却
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注目のコメント
まず、セメント世界最大手はセメックスではなくラファ―ジュ・ホルシムです。(2015年、L社とH社の経営統合により誕生)
もう黙っていてもセメントが売れる時代ではないので、価格・品質だけでなく売った後の顧客サービスが重視されるようになってくる、というのは世界的な傾向で、建設投資額が縮小を続ける日本はむしろその先を行っています。
営業販売よりもむしろ、カスタマーサービスやコンサルティングといった名前の方が近いかもしれませんね。
セメント物流の中継地は海外では「Distribution Terminal (DT)」と呼ばれるのが主流に対して、日本では「サービスステーション(SS)」と呼ばれるのもなんとなく面白いですね。
こちらの記事ではセメント以外の化学・機械素材が話題になっていますが、セメントでも同じようなことです。
セメントの値段は世界的にも大差はなく、トン単位で大量に売られるセメントは流通にかかるコストを削減するために「地産地消」が基本で、価格競争ではどうやっても地元のセメントには勝てません。
近場のセメントよりも、遠くのセメントを使ってもらうためには値段以外のところで競争する必要があるんですね。
セメントに限らず日本産の素材がこれから海外に売り出していくためには、やっぱり長年培った技術力とノウハウ(AIの参入可能性はまだ低いと思います)で勝つしかないと思います。
こと素材に関して言えば、データの蓄積量というのはとても地味ですが新進のイノベーションに対抗できるほど強い武器ですので。
建設材料のセメントに限っていえば、「最も安い値段で工事を請け負う」という公共事業投資の基本的な考え方はこの流れを阻害するかもしれませんが。安田さんのコメントが助かるし嬉しい!ちなみに、2014年のLafarge・Holcim合併承認時、2014年4月のPickが下記。「窯業で興奮する人種」(辻さん、使わせていただきました!)が増えて嬉しい限り。
https://newspicks.com/news/386419
QCD(Quality Cost Delivery)で考えると、重いことと乾くと固まること含めて、Deliveryが重要で、かつCostにも影響してくる。なかなかQで商売するのが厳しい業界なのだろう。これからはマテリアルゲノムやマテリアルインフォマティクスに代表されるような物性情報をどのように素材開発に活かしていくかが重要となります。日本の泥臭い材料開発で蓄積されてきたデータノウハウはこれからの情報社会の中で1次情報としての大きな価値を有しています。マテリアルに関するプラットフォーム競争は日本に期待したいですね。