バーレーン政府系基金、ソフトバンクのファンドへの投資に向け協議
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バーレーンは、国全体のGDPが3兆円程度の国で、島根県くらいです。石油と天然ガスからの歳入は限られており、経済的にも政治的にもサウディアラビアに依存している部分が大きいです。ソフトバンク・ビジョン・ファンド社がすでにサウディアラビアとUAEの国営投資会社から出資を受けている以上、バーレーンの国営会社もそこに参加するのは自明のことです。
バーレーンのSWFがビジョンファンドへの出資意向との報道。なお、SWFとしては100億ドルというのはそこまで大きい金額ではない。
下記のSWFの運用残高ランキングを見ても、目分量で50位以内には入るというくらい。
https://www.swfinstitute.org/sovereign-wealth-fund-rankings/
ビジョンファンドは、サウジが大きく出資しているがサウジはスンニ派。一方、バーレーンは王族はスンニ派だが、全体としてはシーア派(下記)。カタールとサウジの断交の際には、バーレーンはサウジに付いた。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/bahrain/data.htmlバーレーンは中東ではじめて石油を発掘したものの、その後、石油が枯渇してほとんど取れないから、今ではサウジアラビアへの忠誠を誓う見返りに石油をお裾分けしてもらっています。
そんなバーレーンは1970年代から石油の枯渇を見越して首都マナーマを世界の金融センターにするという壮大な計画をぶち上げ、メジャーな金融機関を引き寄せてきた歴史があります。
のちに質量ともにケタ違いのドバイに中東における金融センターの地位をあっさり奪われてしまうわけですが。
そんな事情もあってのことだと思いますが、バーレーンへ行くと、王室も役所も企業の経営者も、誰と会っても
「この国に産業をつくりたい。雇用を生み出したい。この国に進出してくれたら法人税ゼロ、所得税ゼロ、関税ゼロ。おまけに通貨のディナールはドルペッグ制。こんなにいいことだらけなんだから、是非バーレーンに進出してきて!」
と同じセリフを言うんですね。官民をあげての必死さが伝わってきたものです。
記事に登場する政府系ファンド「マムタラカト」はバーレーンでは最大ファンドで、当時はF1のマクラーレンにも投資していました。