EV化で激変する石油消費――高まる中東依存と地政学リスク
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注目のコメント
栁澤さんだからこそ書くべき論考であり、かつこれがエネ研という組織の限界でもあると思う。
元々のピークオイル論の元祖、M.K.ハバートの考えは、石油生産量は需要量であり、その需要量は一定環境中の生物個体数のモデルであるロジスティック方程式に従うだろうというものでした。
いうならば、石油生産のコストが上昇することで石油開発投資の効率が下がり、経済負担が増大して経済成長を冷やし、需要量がいつかはピークになるというものです。
しかし、70-80年代、00年代のピークオイル論争において、ピーク派はより「オオカミ少年」的に悲観論が先鋭化し、「主流派」の経済学者などはピークオイル論を「供給ピーク論」として差別化して批判してきました。
2010年以降は、「シェール革命」の到来でピークオイル論争は鳴りを潜めたと言うことになっていて、代わりに「需要ピーク論」が出てきたことになっていますが、私に言わせれば需要ピーク論は元々のピークオイル論そのもので、これこそが21世紀の最大の危機だと思います。
私が先日書いたシェールオイルの生産見通しの記事を踏まえると、EV化の度合いに依らずして、中東依存度が今後大きくなる可能性は十分にあります。
シェール革命は短命に終わる
https://newspicks.com/news/2782431/
そうなれば、冷戦時代に西側の防波堤として中東石油依存という首輪を引きずっている日韓台などの国々は、米国の庇護がなくなった瞬間にエネルギー安全保障の危機に陥りますね。こういったEV普及でガソリンの消費が減るから原油が下がる論は、EVがチャージする電気をどうやって供給するのか、その電気をどうやって作るのかという計算をした上で結論出してるのかといつも疑問ですね。
以前コマツのトップが日本と中国での試算をインタビューで言ってました。
今の中国は石炭の比率が高いのでCO2削減にならないということでした。
だから昨年から中国は天然ガスに切り替えを始めた、しかし天然ガスの供給が追いつかないため、停電すら起きる箇所も出ている。
今後増加する電気の使用量と経済成長するエマージングで車が普及するとガソリン車がどの程度増え、EVシフトを加味しエネルギー使用量全体にどういった影響が出るのか、そのシュミレーションが必要ですよ。