新たな「核の時代」をもたらす、トランプ新核戦略の危険度
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核兵器はそれを無効化する兵器が出てこない限り、全廃には向かわないだろう。そして核兵器が究極の兵器である限り、各国はその開発に資源を投じる。相手国が核開発を進める以上、米国もそれに対抗しなければならないという問題はいつまでも続くことになるだろう。そしてより悪いことに、米国はロシアとの核開発競争だけでなく、将来的には中国との競争にも突入しないといけなくなることだ。中国が現在、2030年頃までに米国との相互抑止体制の確立を目標としており、今の所この動きを止める術はない。
第二次世界大戦以降のアメリカは戦争で苦戦を重ねてきました。朝鮮戦争でマッカーサーがトルーマンによって原爆の使用を拒否され、解任されて以降、米軍の戦いの多くは対ゲリラ戦でした。空爆は効果を上げないことが多く、膨大な地上兵力も用を為さないことが多く、それでも維持のために莫大な経費を必要としました。大規模な空軍陸軍を挙げて短期間で勝利を収めたのは湾岸戦争とイラク戦争くらいです。
ベトナム戦争や現在のアフガニスタンのように、ヘリコプターに支援された特殊部隊などで対ゲリラ戦を続けてきましたが、しばしばヘリは落とされ、死者も少なくなく、犠牲の少ない戦いではありませんでした。無人攻撃機の登場も、ブレークスルーといえるほどには米軍の苦戦を改善してはいません。
トランプ政権が小型核兵器の活用を検討しているのは別に突飛な新しいアイディアというわけではなく、米軍が犠牲を少なく費用対効果のよい勝利を得るという発想のために、米軍、米政府内でくすぶり続けてきたアイディアです。
もはやアメリカの覇権を維持しうるのは経済力だけでは駄目で、軍事力こそ頼みの綱と見る向きもあります。長期的には、経済、軍事の両面でアメリカの覇権を脅かすのはロシア以上に中国でしょう。
これは焦りから支持者を増やしつつあるアイディアというべきで、米軍が小型核兵器を活用すれば、当然ロシアや中国も小型核兵器を活用しだすという悪夢のような状況への対処が考えられていないのであれば、理性的なアイディアとは見なし難いです。日本は弱小国の一つとして、世界の新しいルールに従わなければなりません。
世界が軍拡競争に陥れば、それに従わない限り、日本の平和はないのです。
国家予算の大半をつぎ込んでも、抑止力の強化は必要です。
「国防軍創設」「核武装化」以外に、日本が今と同じ平和を享受し、自由な社会を維持していく道はありません。
このままでは、20年後の日本は、実質的に中国の植民地とされる可能性が極めて高くなっています。