【いまエネルギー・環境を問う 竹内純子の一筆両断】送電線は「がら空き」か?
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注目のコメント
最近報道が相次いでいる「送電線がら空きなのに、再エネ接続拒まれる問題」について書きました。インフラ設備の形成について、基本的な考え方が全く理解されていないと感じる報道が多すぎましたので、極めて基礎的に書いたつもりです。
必要なのは、安定供給を確保しながら、最小の社会的コスト負担でエネルギーの低炭素化を図るということであって、再生可能エネルギーの導入を「目的化」すると議論がバランスを失してしまいます。
これから人口減少に向かう日本では、ただでさえ送電線などのインフラ維持が難しくなります。再生可能エネルギーの受け入れを増やすために、誰の負担でどこまで送電網整備に投資すべきかは、慎重に議論せねばなりません。ドイツでは再エネ事業者の負担にせず、送電事業者が負担することにしていますが、結局それは国民の負担する電気代で回収されます。
日本ではいま、再生可能エネルギーへの直接的支援である「再エネ賦課金」がいま年間2兆円強、2030年時点では4兆円程度になると見込まれています。そこにドイツと同様、送電線の整備等のコストも乗せるのかという負担の在り方を、真剣に議論しなければなりません。
そういう本当の議論をしなければならないのに、ほとんどの報道は「電力会社の意地悪」というような低俗な議論に落としてしまっているのが現状。
大変憂慮しています。
鈴木さん、コメント&pickありがとうございました!〈追記〉
以前のコメントで安田センセが反論されてましたのを当方見落としてました。申し訳ないです。
テレ朝で送電線空きについて取り上げられてますが、徹底的にセンセーショナルに報道したく考察が浅い朝日の悪い癖で、安田センセの、「ちょっと違うんだけどな〜」的なのが滲み出てる気がしてます。
全く専門外の私がどうこう言うのもなんですが、再エネが普及しない理由を送電線の余裕有無に持ってくるのは、違うのでは無いかと思いました。
もっと他の要因があるけど目を逸らしてるように感じます。
他方、送電線の余裕が全然無いと言うのもそれはそれで乱暴な話かも知れません。ダイナミックレーティングという考えも有効でしょう。風力が高ければ送電線が空冷されてもっと余裕が出ると言うのは送電線全体で考えるとちょっと乱暴な気もしますが。
この手の話は定量的な評価が必要でしょうし。
竹内PROがよく仰るコストの最小化がマストですから、単純な話ではないですね。
〈完〉
竹内PROの極めてわかりやすい解説ですね。
いつも勉強になります。勝手に「送配電運用の今後の在り方に係るワーキンググループ」と名付けました。
こちらのユーザーの方々はあまり興味ないかと思いますが、本件は国の血脈にどんな養分を流せるかという非常に重要なやり取りです。
本になっても良いレベルの内容かと私は思いますので運営側も取り上げて頂きたいです。