FRB当局者は株安静観の姿勢-NY連銀総裁「景気見通し変わらず」
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注目のコメント
今回の件を景気との関係で論ずると、確かにDudley総裁のような議論になると思います。ただし、金融システム安定の点から考えることも、劣らず重要だと思います。
米国の多くの市場関係者が冷静に指摘するように、株価が大きく下落したとしても、これまでの大幅な上昇を考えれば、かつ大きなレバレッジを伴っていなかったとすれば、それ自体がマクロ的に大きな問題を起こすことはないことになります。
ただし、他のピッカーの方も指摘されるように、株価上昇の背後でボラティリティを売るトレードが相応に行われていたとすれば、この点は気になります。
市場は今回の件で、普通のボラティリティ水準を考え直すことになりそうなので、VIXが以前の水準に戻ることは、あったとしても時間がかかりそうです。このため、ボラティリティの売りポジションを持っているプレーヤーの負担はそう簡単に解消しないかもしれません。
もしも、そうした状況が特定のプレーヤーに集中して生じた場合は、そのプレーヤーの規模によっては、資金調達や他の資産による益出しを通じて、金融市場に相応の影響を残すこともありえない話ではありません。その意味では、今後の推移をよく見ておくことも必要だと思います。山高ければ谷深しですので、当局者もいつかは調整局面がくると予想していたのではないでしょうか。フラッシュクラッシュ的な動きもこれまでの経験があるので大きな驚きはないかと思います。そして、最大の安心感の背景は、リーマン後の規制規制のオンパレードで、さすがにシステミックリスクは低いだろう、という見立てがあると思います。昨日も同様のコメントをしています(①)
①クレディSは投資商品清算-VIX連動ETP十数本が取引停止
https://newspicks.com/news/2804901ダドリーは少し前まではハト派でしたが、最近は(株の上昇も含め)金融環境の緩和が利上げを正当化する、と金融安定→利上げのロジックを前面に出してきています。
また同じ日に今では最ハト派と目されていたブラード地区連銀総裁も、株価の調整は皆分かってきた事だ、とコメント。
つまり、現在の株安程度ではFEDの利上げ方針は変わらないという事です。実は2名とも以前は金融市場が動揺するとハト派的な発言をして市場のボラティリティを鎮める役回りを担ってきたのですが、過去とは対照的な発言です。
よって私は、グリーンスパン以降言われてきた、xxx(議長名)プットは今回は余り期待しない方がいいと見ています。パウエル氏はコンセンサス形成、ボトムアップでの合意形成するタイプと見られていますので、少なくとも執行部のダドリーと食い違うとは予想し難いです。
これからの議会証言、3月FOMCでそれが顕在化すると予想しています。そうなった際の市場の反応、シナリオは未だこれから考えたいと思います。