「わかりやすい資料」を作る人は何をしているのか?--IBMのプロマネが教える『2軸思考』
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書けないことは、伝えられない
私のチームに、頭が良くて回転も速く、しかも深く考えられるのに、「伝える」こと、つまり説明だけが苦手なメンバーがいました。
よく私のところに報告に来るのですが、その度に話があちこちに飛び、一回聞いただけではわからない説明をするのです。
私は彼に「報告に来る前に、言いたいことを紙に図で書いてみるように」とアドバイスしました。
話す内容を論理的に書き出してから持ってきてもらうようにしたのです。
結果、彼は自分の言いたいことが全然紙に「書けない」ことに気づきました。伝えたいことを図で表現しようとすると、手が止まってしまうのです。
彼自身、これには驚いたらしく、「自分では伝えるのが下手だと思っていましたが、そもそも伝えることが論理的にまとまっていないとわかりました」と大事な気づきを得ました。
一度紙に書くクセがついてからは落ち着いて話せるようになり、報告の時間も短く、効率的になりました。
断言しますが、どれだけ頭がいい人でも、図に書けないことは伝えられません。
図に書けないということは、その物事の構造を捉えていないということ。すなわち、ロジカルに考えられていないということです。パワポは「結論→原因→補足説明」のフラクタル図形
仕事で大きな成果を出している人の資料には必ずバイアスがかかっています。
自分が得たい結果となるように「誘導」するようなコミュニケーションが必要だからです。
良い資料とは、「読んでわかる」資料ではなく「見てわかる」資料です。うまく説明できない人が読むための記事のはずなのに、読む量が多い。
うまく説明できない人はうまく物事を噛み砕けないことも多い。そういう人が手に取っても理解できるような、もう一歩簡易版の記事であった方が本も読んで見たくなるはず。
と、思いました。