筆頭株主、取締役の過半要求=日本ペイントに、委任状争奪も
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取締役の数が会社経営のコントロール力を決定することになるかは、事実上はともかく、会社法上は自明ではない。
株主の利益代表とされる中国の株式会社の董事とは違い、日本の株式会社の取締役は株主の共同利益や会社利益を守る忠実義務がある。理念的には、特定の株主の利益を代表することは許されない。しかも、取締役会設置会社の取締役は、取締役会の構成員としての任務と責任を負うだけだ。
会社法における理念上の建てつけと経営実践での手法と食い違いがある。
一方、取締役会を形骸化させることはさほど困難ではなく、昨今は取締役の職務は業務執行の監視・監督であり、業務執行権限はないとするのが有力だ。この意味で、取締役には既に名目表的権限しかないともいえる。
実際、事業経営におけるさまざまな決定は、取締役会での勢力バランスではなく、ライン義務の実務責任者の配置に依存することが多い。つまり、業務執行責任者(社長、CEO,COO),企画責任者、財務責任者(CFO)のポストを確保することの方がより決定的だ。