10分でわかるビットコインの本質
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長い解説文だが、★以下の部分は、仮想通貨やICOをベースに新たな価値と関係性を構築し、既存の貨幣経済に代わるものを見出そうという趣旨だと理解した。結論として言いたかったのは最後のマーカーの部分だろう。
「資本主義的な価値観を外側に出て、今まで金銭的価値では換算することができなかった「新たな価値」を見つけ出し、それに基づく「新たな通貨」をつくり、「新たな経済圏」をつくる。」
もうひとつキーフレーズを引用しよう。
「「トークン通貨」はコミュニケーションの質を高め、資本主義的な価値観で途切れてしまった「関係性」を再構築するために利用されるべきです。」
筆者は、「新たな価値」が、貨幣経済的な価値観で途切れてしまった宗教や共同体や地域の「関係性」にあるという。しかし、それらに価値を見出すのは、人類の歴史の中ではちっとも新しくはない。歴史をみれば明らかだが、宗教や共同体や地域に価値を見出して関係性を構築した集団同士が、戦争や支配・被支配を続けてきた、というのが人類の営みであった。
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近代以降の社会、産業革命と資本主義の発達後は、中世や近世ほど、宗教や共同体や地域にあまり重きを置かなくなり、悪く言えば拝金主義的なものに蒸留されたから、世界は豊かさと安定を手に入れたといえる。その際に使われたツールが、国家信用に基づく貨幣だった。
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筆者の主張する「資産経済は末期です」「国家通貨に替わる価値の蓄積場所が必要です」という主張は、世界的な金融緩和とそれでも十分には回復しない今の世界経済を考えると、気持ちは理解できる。しかし、ビットコインやトークン貨幣によって、貨幣経済から「新たな(実は新しくない)価値」へと鞍替えすることは、残念ながらあり得ないだろう。
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世の中でビットコインが騒がれているのはそれが(国家貨幣との相対価格で)大きく値上がりしたからだし、筆者自身が言いたいこととはあまり関係なさそうな「ビットコインの本質」というタイトルを掲げたのも、それに便乗するためだろう。残念ながら、我々は国家貨幣という枠組みから逃れられないのだと思う。それを受け入れたうえで、文化的な、宗教的な高みを目指すなら、それもいいだろう。しかし、それがいやなら、ロビンソン・クルーソーのように、無人島で一人で暮らすしかないと思う。うーん。。私はこれを「良記事」とは定義できないです。。
部分的にはいいまとめなのですが、「国家通貨の終わりの始まり」という話がタイトル・内容ともにとても勿体ないです。
『フィアット(法定通貨)→暗号通貨』の流れは、「投資/資産分散のキャピタルフライト先として」という理由がせいぜいで、「フィアットが終わる」というのはアジり過ぎです。
この点で、私は O.takahiroさんと同意見です。
フィアットは「金融システムをうまく機能させている『金利』という概念」、あるいは「発行上限がないこと」だけで考えても、暗号通貨に駆逐されるようなヤワなモノではないことは明らかです。
また「税金はフィアットで納税しなければならないルールを国が強いている」点においても、暗号通貨がフィアットを駆逐するシナリオは実現性に乏しいです。
「非中央集権的世界」への期待感はとても理解できるのですが、この手の話が「暗号通貨とフィアットとの対比感」での話になり始めると、とたんに胡散臭くなります。
それ以外のところで、ブロックチェーン全体のポジティブな可能性で物事が語られて行くことを望みます。まだうまく言語化できないのですが、この記事にしても、最近のビットコインやお金を巡る議論にしても、90年代後半2000年代初に流行したポストモダン、ポスコロ、カルスタブーム(?)と議論の展開の仕方や方向性が似ているような錯覚というか眩暈がします。仮想通貨はまさしく柄谷行人「NAM-原理」(2000年)の現代版のように思えてなりません。