「史上最大の素数」約2年ぶりに更新、50番目のメルセンヌ素数で桁数は2324万9425桁
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2005年の43番目から49番目の7個中4個はミシガンセントラル大学のカーティス・クーパー教授によるものでしたが、今回発見のJonathan PaceはGIMPSレースの中では新参者のようですね。どんなアルゴリズムを使ったのでしょうか。
最近では発見される素数が「飛ばされる」ことが多く、「50番目」は発見順であって、「50番目に小さなメルセンヌ素数」と証明されているわけではありません。45番目以降は未確定でおそらく未発見のものがあります。
メルセンヌ素数の面白いのは、二進数表記にすると、「111111…111」のようにすべて1になるんですよね。もちろん全部1なら常に素数になるわけではないので難しいのですが。
高校の頃、最初のGIMPSメルセンヌ素数である34番目のM_ 1,257,787(約38万桁)を紙テープに書いて構内を張り巡らせるという企画があり、感動しました。ただただすごい。
素数はいまの暗号システムの基礎の1つになっています。大きい素数を2つ掛け算するのは簡単ですが、その数字を見せられてどんな素数が2つ掛け合わされているのか調べるのはとても大変という原理を用いています。これの何がすごいか理解するにあたって、おさらい。
●素数とは、1 より大きい自然数で、正の約数が 1 と自分自身のみであるもの。
●素因数分解とは、整数を素数だけの積の形で表すこと。
●RSA暗号とは、桁数が大きい合成数の素因数分解問題が困難であることを安全性の根拠とした公開鍵暗号の一つ。
鍵ペア(公開鍵と秘密鍵)を作成して公開鍵を公開。秘密鍵を用いずに暗号文から平文を得ることは難しいことを安全性の根拠とする
● 公開鍵暗号とは、暗号化に必要な鍵と復号化に必要な鍵が異なるような暗号。
●完全数とは、自分自身を除く正の約数の和に等しくなる自然数のこと。2のn乗− 1 が素数ならば、2のn−1乗(2のn乗 − 1) は完全数、ユークリッドの原論より証明。
●完全数の最初の3個は 6 (= 1 + 2 + 3)、28 (= 1 + 2 + 4 + 7 + 14)、496 (= 1 + 2 + 4 + 8 + 16 + 31 + 62 + 124 + 248)
● 完全数はどれだけあるのかの探求が2500年以上のちの現在まで続けられている。これらの数は神秘的な美しさがある。
● 2のn乗 − 1 が素数となるには n が素数である必要があるため、これにより、2のp乗 − 1 が素数となる素数 p の探求が焦点。
● 2p − 1 を通常 Mp で表し、メルセンヌ数という。
●ユークリッドの導いた方法以外に偶数の完全数はないことが証明されている。