朝鮮半島有事で自衛隊の対応検討 米朝衝突やミサイル着弾想定
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朝鮮半島有事のみならず、自衛隊が関与する事態ごとの法的対処についてはすでに明確なように見える。日本の領土領海に対する攻撃の際には、防衛出動が下令され、あるいは国民保護法が適用される。この報道にあるそれ以外の3つのケースの場合には、重要影響事態や、あるいは場合によっては国際平和支援法が適用になるであろう。
しかしながら具体的対処の検討にあたっては、NSCが想定するものについても様々な問題が所在する。
それぞれのケースで発生するであろう難民対処一つとっても、20万人もの難民・避難民が押し寄せるという説もある。朝鮮戦争の際には、開戦から3日間でのべ2001名が日本に避難した。海路では佐世保が避難港に指定され、仁川や釜山から佐世保港や博多港に、米国籍やノルウェー籍の貨物船による輸送が実施された。また、翌年にかけて日本の船舶等も用いて佐世保に5411名が輸送された。朝鮮戦争の際に機能していた難民センターはすでに多くが閉鎖され、西日本の場合には定員200名の大村のセンターが唯一の受け入れ場所となるが、これら港湾やセンターは、受け入れおよび避難民の中に紛れ込んでいるかもしれない後方攪乱要員の選別と治安維持を行えるのであろうか。
NSCが想定する我が国に対する武力攻撃に満たない事態については、法律で明確になっているものとそれ以外がある。それらには、米艦防護、日本国から行われる戦闘作戦行動のための発進許可、調査・研究による自衛隊の活動、治安出動下令前に行う情報収集、治安出動、海上警備行動、ミサイル破壊措置命令、後方地域での協力や避難民支援等、機雷処理、日本のADIZからの出撃、日米安保条約6条に基づく施設等の提供等が考えられるが、一々について様々な条件と問題が考えられる。それぞれについて議論が進んでいないのが現状である。
さらに、NSCが想定していない「事態」の方が深刻である。たとえば、民間人を装ったテロ組織を含む特殊部隊による我が国領土領海、特に島嶼部に対する攻撃やサイバー攻撃等については、我が国にとって大きな被害をもたらし得る。自民党が公約で掲げたグレーゾーン対処のための領域警備法を審議にすらかけていない状況では、法的な根拠すらないのが現状である。あえてNSCは都合の悪い事態には目をつむっているのかもしれないが、北朝鮮による脅威を正視し、議論する必要があろう。
注目のコメント
大野元弘議員のコメントは記事以上の意味を持っています。
ただし、朝鮮半島有事の際、67年間の戦争とは違い、数千人の避難民が日本に来る、あるいは20万人来るという予想ははたして通用するでしょうか。
たとえば百万以上の避難民、数年にわたってぞくぞくと来ることは考えるべきです。
それに対して、領海にはいったらすべて射殺することはあり得ないし、朝鮮のどこかで100平方キロの特区を作って、避難民を生ずる現象を防ぐなどは、日本としてほんとうに作るかなどを含め考えるべきではありませんか。