原油先物が2年半ぶり高値、リビアのパイプライン爆発受け
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リビアのパイプラインですが、NHK(下記リンク)によりますと、武装した集団に爆破されたという情報が入っているようですね。
https://newspicks.com/news/2717792リビア情勢は複雑怪奇で簡単に説明できないのですが、現在は概ねトリポリのセラージュ首相の国民合意政府(GNA)と、ベンガジのハフタル将軍率いるリビア国民軍に二分されています。
リビア最大の原油積み出し港エスシデル港は、確かGNAの支配下だったはずなので、今回の爆破はハフタル将軍派系である可能性が強いと思われます。
因みにセラージュ首相を支持するにはイタリア他ヨーロッパ諸国、ハフタル将軍を支持するのはロシア、サウジ、エジプトなどですが、ハフタル将軍支持国は原油価格の高騰でメリットを受ける国ばかりです。
最近はGNAとハフタル将軍派の歩み寄りもつたえられていましたが、もし今回に犯行がハフタル将軍派によるものなら、GNAとの関係悪化は避けられません。
石油パイプラインはリビアの生命線だけに、今回の爆破は一歩間違うと、リビアの盧溝橋事件になりかねない危険があります。過去地政学リスクで原油が中長期的に上昇した事は無いため、今回のリビアの件はトリガーに過ぎないと見ています。サウジのMBSのヘッドラインで原油が上昇した事と同じプライスアクションです。
原油先物価格2018年の予想価格は40-60でレンジ、という向きが多く、そのあたりがコンセンサスと認識しています。ロジックは供給サイドから来ていて、
・OPECの生産調整は原油価格にプラスである一方、
・米シェールオイルの生産回復が上値を抑える
というものです。
ただ最近のベーカーヒューズ・リグカウントは横ばいで供給が米サイドから増えている確証はありません。また世界経済は金融危機以降、最速ペースで拡大しており、中国も思ったほど落ち込んでいないので、需要からは原油価格のアップサイドリスクが見て取れます。
インフレ・中央銀行の政策にも広範な影響があるだけに、原油価格のアップサイドリスクは2018年の思わぬブラックスワンの有力候補足りうるでしょう。