南スーダンで停戦発効、4年におよぶ内戦終結目指す
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南スーダンの内戦が継続する中、ケニアやウガンダ等の隣国にその影響が拡大し、且つ170万人に及ぶ南スーダンの難民問題は記事にもある通りアフリカで最大の難民問題に進展してきた。難民になれた者はまだしも、逃亡しようとすると殺害される等の国内における深刻な人道問題が存在してきた。
今回の和平合意には、マシュアル派が参加していることが重要であるが、ダバン・ディン・ガイ副大統領の処遇を含めた政治解決も必要。さらに、IGADや国連の強いコミットメントが不可欠である。
注目のコメント
南スーダンの悲劇は独立を成し遂げたはずの国のトップが、余りに腐敗していたことでした。
独立後僅か3年の間に、石油収入や各国からの支援金など少なくとも4000億円もの資金が、有力者たちによって国庫から盗用されました。
彼らは国民の苦しみを傍目に、家族や財産を南アフリカなどに逃がし、ヨハネスブルグに大邸宅を構えて贅沢三昧をしていると言われています。
これは政府側だけでなく反政府側も全く一緒です。
つまり両方とも同じ穴の狢なのです。
南スーダンの内戦は一般に最大部族のディンカ族とヌエル族の戦いと言われていますが、元々は彼らの分け前を巡る争いが、原因で、それが部族対立に転化されたのが実態だと言われています。
一方で部族は部族で、牛と水を巡って長らく争いを続けてきました。
ここに様々な思惑からアメリカや中国、ウガンダなどの諸外国が景気良く武器を南スーダンにばら撒いた結果、牛を巡る部族間の紛争でだけで、少なくとも2万5000人以上の死者がでる有様となり、部族対立に拍車をかけることになりました。
例えば共に反政府側のロウ族民兵ホワイトアーミーと、ムルレ族民兵のコブラ派の戦いでは、3000人以上が虐殺され、10万頭の牛が略奪されました。
このように基本的に政治も宗教も民族も関係なく、石油の分け前と牛の奪い合いのために戦争をやっており、そこに石油利権の確保を目論む米中の対立まで絡んで、まともな政治解決が難しいのが南スーダンの内戦の実態だと思われます。
南スーダンは日本がPKOを送っていた国ですが、この体たらくに早々と見切りをつけ自衛隊を撤退させました。
せめて、この不毛な戦いが一刻も早く終わる事を願いたいものです。中央アフリカやコンゴと並んで、サハラ以南ではアフリカでもっとも深刻な内戦、難民問題に直面している南スーダンですが、停戦は極めて不安定な基盤の上にあります。そもそもスーダン内戦の結果分離独立した南スーダンですが、国家建設が立ち行かず、国民の統合もそれに必要とされるリソースの配分も達成されずにきました。
今回仲介にあたっているのはエティオピアですが、国連のPKOや援助機関も次々に撤退している中で、アフリカ連合(AU)の平和構築への力量が問われます。ソマリアやコンゴ、マリ、中央アフリカで平和構築に一定の役割を果たしているAUですが、南スーダンが独力での平和構築がおそらく困難であるところに、平和維持軍などとして入っていって重要な役割を果たせるのかどうか。
紛争の抑止と経済の安定が弱い基盤の上にあるのは他の多くのアフリカ諸国も同様で、米国や国連が平和構築に果たす役割を縮小していくのであれば、AUが果たすべき役割は大きくなるでしょう。フランスはまだ相当の役割を果たしたいようですが力量に限りがあります。
この状況で南アフリカやケニアなどアフリカの大国が主導的な役割を果たせないようになれば、混乱が広がることが予想されます。南スーダンの紛争は、独立前に同じ闘志として闘った大統領キール(最大人口・ディンカ族出身)と元副大統領マシャール(2番目に人口が多いヌエル族出身)による権力争いが元で勃発しましたが、その後民族抗争として各地に波及し、紛争が続いてきました。記事によると停戦合意では、即時的な戦闘行為の停止に両者合意したとのことですが、今後どう権力を分配するのか、選挙をいつ実施するのかなどより具体的な内容が盛り込まれる和平協定への合意が注目されます。