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エリックはレヴューを終えると、とっとと次の国へと成田に向かったのだが、驚いたのはその後だ。まだ成田へ向かう途中のエリックからeメールが届いた。Googleカレンダーの会議出席者宛のメールだった。開封してみるとなんと "minutes"と書いてある。議事録だ!読んでみると、会議での議論が要点よくまとめられ、最後にはnext stepsとして誰がいつまでに何をしなければならないか、特にエリック自身が何をするかまでが簡潔に書かれた後、これで間違いはないか?抜け漏れはないか?と書かれている。
これには驚いた。Googleに入って最初かつ最大の衝撃と言って良い。それまで日本企業しか経験がなく、議事録とは下っ端が書いて、回覧して、修正依頼を受けて、関係者の承認を受けて、最終的に清書されたものが議事録として1週間後に配られるといったノリとは正反対のスピード感。こんなCEOの下だからこそ、ただの分からんちん研究者のお兄ちゃん達の会社をここまでに出来たのだと感服した。それを考えると自分はまだまだ足元にも及ばないなあと深く反省。あの時のことを思い出させてくれた記事に感謝。
世紀の天才だが生意気ざかりで学生に毛が生えた程度だった創業者2人の手綱をしめるオトナ役として、シリーズAくらいのよちよちだった頃にCEOとして参画し、同社を世界で2番目に大きな会社にした間違いない立役者です。
私も素早く議事録を送ろうっと。
エリック・シュミットがどこかの大学の卒業式スピーチで言っていた言葉。「あなたが最も気になっていることをしてください」。学生さんと話すとき、よくこれを引用します。
それから、シュミットが好きなイタリア語の言葉「salto mortale」。これはサーカス用語で、「安全ネットなしの宙返り(直訳すると"致死性跳躍")」を意味し、尊敬されるパフォーマーを指してこう呼ばれるそうです。
自らの致命的な運命を自分に引き寄せ、自らの判断で行える人と、そうでない人(常にお墨付きを欲する)との差は大きいです。
取締役には残るみたいですが、次はどんなアクションをされるのか気になります。