日銀は消費増税に備え追加緩和を、物価モメンタム不十分-若田部教授
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2014年の消費増税は、引き上げ幅が3%と大きかったこと、所得の伸びが緩やかだったこと、社会保険料負担の増加もあったことから、家計に大きな負担を強いることになりました。
2019年の消費増税は、引き上げ幅が2%にとどまること、所得の伸びが高まっていること、社会保険料負担が薄れていることから、家計に対して深刻なマイナス影響を与えることはなさそうです。
ただし、そうは言っても、マイナス影響が現れるのは紛れもない事実。予防的に金融緩和を行っておく、増税幅を1%にとどめる、といった手段で、マイナス影響の軽減を検討しておくことは有益だと思います。足元の米国における税制改革の議論(減税しても景気良くなって税収増える)と、日本の税制改正の議論(完全にデフレ脱却していないのに増税しやすいところから増税してマインドを冷やす)を比べても、金融政策は世界基準だが財政政策はそうなっていないというご指摘はその通りだと思います。
「金融政策は世界基準だが財政政策はそうなっていない」というのがその通りと言わざるを得ないのが残念ではありますが、そうである以上は「増税が前提となると、やはり追加緩和が必要ではないか」というのもわからなくはないものの、まず増税をこそ止めることが筋かと思います。
直近の所得税改革などもそうですが、足元で緩慢ながらも持続的な景気回復による税収の自然増が実証されてきているわけですから、これを加速させる政策運営がまず政府に求められるところ、これに逆行する動きが出ているのは理解し難いというのが正直なところですね。