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ロヒンギャを歴史と記憶から抹消するミャンマーの民族浄化」

NewsPicks編集部
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    ジョーシス株式会社 シニアエコノミスト

    ロヒンギャの困難さを理解できる良リポート。ミャンマー政府は「ロヒンギャ」という言葉を基本は使いません。また、スーチー氏に対しては、国際社会が勝手に幻想と理想を抱いたのではないでしょうか(下記難民特集第4回参照)。スーチー氏は、国会議員に就任した後にロンドンで記者団に対して、融和的と捉えられる発言をしましたが、国内での批判され、その後、ほとんど発言せず。

    少数民族という一般化した言い方では、彼女は民主化運動時代からも、和解の道を探ると明言し、少数民族はスーチーを支持しました。ロヒンギャもこの路線を支持。ただ、ミャンマーのエスタブリッシュメントで言う『少数民族』にはロヒンギャは入っていません。ロヒンギャはそれだけ特殊な扱いを受けているのです。

    英国の植民地政策や、日本の占領政策も関係しています(難民特集第4回参照)。パレスチナ・イスラエル問題は英米の政策の産物という批判がありますが、ロヒンギャ問題には、日本の対外政策の歴史も一枚噛んでいることを理解し、他山の石とする必要があります。

    過去に束縛される必要はありませんが、歴史を知った上で、現代の私たちがどう振る舞うかは、国際社会における信頼性を左右します。これから経済規模は相対的に小さくなる日本だからこそ、この点は益々重要になるのではないでしょうか。先鋭的、センシティブ、かつ伝統的な問題こそ、国民や国家という枠組みで語られてしまいがちです。個人の意志で「国境や国家は関係ない」と思っていても、日本人や日本というフィルターのもと、当該個人も見られてしまう構図もあります。

    NewsPicksでは難民問題を取りあげました。ロヒンギャは第3回と第4回です。全て無料公開ですので、是非お読み下さい。

    第1回:【日本】難民問題がもはや他人事ではない理由
    https://newspicks.com/news/2646347
    第2回:【人権】世界から非難、オーストラリアの無慈悲な難民対応
    https://newspicks.com/news/2646352
    第3回:【ロヒンギャ】「緩衝国」マレーシアへの期待と見えぬ将来
    https://newspicks.com/news/2646353
    第4回:【オピニオン】日本人が知らない、難民への日本の貢献度
    https://newspicks.com/news/2646355


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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    ミャンマーのラカイン地方でロヒンギャと呼ばれる人々に起きていることは民族浄化と呼ばれるものです。ある人々を殺害することで、追放することで、あるいは記録を抹消することで存在しないことにしようとするものです。ボスニアやルワンダで起きたこと、あるいはポル・ポト派がカンボジアでやったのと同じことです。
    民族浄化が起こされる仕組みについては多数の研究がありますが、「我々」(この場合はビルマ人・仏教徒)から見た他者の存在を受け入れられない心性や文化と共に、民族浄化を煽ることで利益を得ようとする勢力の存在が必ずあります。スケープゴートをつくって大衆に暴力を振るわせることで不満をそらし、自分たちへの求心力を高める、略奪や土地収用を正当化するために民族浄化を行う、ミャンマーの場合、それは軍部です。中国の「一帯一路」に伴う経済進出、開発計画がそれに拍車をかけ、ロヒンギャへの民族浄化はミャンマー軍部による開発用地確保のための土地収用と不可分です。普遍的な倫理観をもつ先進国であれば、このような政治手法や開発は放置できないでしょう。

    民族浄化には文化・宗教的な浄化(絶滅政策)がつきものです。歴史修正主義という偽学問によって行われるものであり、パレスティナ人という人々は存在しない、クルド人という民族は存在しない、カンボジアにはベトナム系住民は存在しない、いたとしても外来者なので抹殺されるべきだ、といった主張がついてきます。ミャンマー軍部や彼らに諂う人々がしているのも同じ主張です。「外来者なので殺してもよい」という主張からして現代の先進国では受入れられない非道な主張ですが、そういう主張をする人間が政権を握る国は現代でも存在しています。こういう主張をする人間は多かれ少なかれどこにでもいますが、まともに話して考えを変えさせることができるような相手ではありません。先進国をはじめとする諸外国の圧力、経済的措置をはじめとする制裁にしか民族浄化を抑止する効果はないでしょう。


  • インフラ企業 法人営業

    この手の問題は終わりが見えないのが悩ましいです。ミャンマー人の友達がいますが、ロヒンギャの問題を指摘した際、ニコニコした表情から一転して激昂したことが印象に残っています。
    「ミャンマーには40以上の民族がいる。それぞれが独特の文化や慣習を持つなかで、国として束ねるのは簡単なことじゃない。そんな事情を知らない日本人が口を出すことじゃない」

     ロヒンギャのように独自の文化、慣習あるいは言語を持ちながら国家を持たない民族はたくさんありますよね。クルドやチベット、ウイグルなど探せばキリがありません。

     いわゆるマイノリティを国家の構成員として迎え入れる場合、「同化」か「共存」の二択が考えられます。日本もその昔アイヌ民族や琉球民族を同化させました。それは社会的な政策であり、非常に強制力の強いものだったと思います。彼らの尊厳を根こそぎ奪う、非常に痛ましいものでした。

     そもそも国家としてマイノリティに自治権や独立を許すことは、国土と国益の減少をもたらす上に、何より国家としてのメンツに関わります。

     僕はマイノリティに対する人間の本性は、かのカール・マルクスの言葉に尽きると考えます。
    「人間の意識がその存在を規定するのではなく、逆に、人間の社会的存在がその意識を規定するのである。」

     歴史を持たぬ民など、同化させてもらえるだけ有難いと思わねばならないという、マルクス・エンゲルスの過激な歴史観は支持しません。しかし、どれほど道義的に反することであってもそれが社会全体の利益に叶うとなった場合、理不尽がまかり通ってきたことは歴史が証明しています。

    非常に悩ましい問題です。


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