リフトはライドシェアリング業界の王者になれるか
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リフトのほうがウーバーより、創業者の「理念」がはっきりしています。創業者ローガン・グリーンの講演を聞いたことがありますが、彼はもともと、ロサンゼルスで公共交通機関をプロモートする社会運動家で、それを「現実的に」実現するために、リフトの「ライドシェア」の仕組みを考えつきました。(一般人の運転するクルマをシェアする方式は、ウーバーがリフトをマネしたもの)
つまり、やや左寄りの思想の人で、「公共交通機関の不足はアメリカの格差社会をますます助長するので、クルマを保有しなくても誰でも使える足を増やすべき」「渋滞は環境破壊につながる」といった考えを持っていて、リフトも単にタクシーの代替ではなく、「バスの代わり」「地下鉄との連携」などにより、公共交通機関の代替を目指す、とそのときも話していました。(「バスの代わり」はすでに始まっています。)
こうした思想背景から、運転手にも配分率がより高く、リフトのほうが評判がよいのですが、その分利益や地域拡大などの点で、よりアグレッシブなウーバーに負けていたと思います。
こうした思想に共感する人の多いシリコンバレーでも、ユーザーとしてもリフトに切り替える人が増えています。現時点でリフトがウーバーに負けている点としては、単純な規模の違いとそれに伴うブランド力の弱さ、それとルーティングや地図などの「ソフトウェア」がまだウーバーより負けている感があります。
このところのウーバーの自滅とリフトのパートナー・資金調達戦略で、この差もこれから縮まっていくのでは、と期待しています。まずファクトから確認。下記は11月のRecodeの記事で、米国の主要都市でのUberとLyftのシェアが出ている。基本的にどの地域でもLyftがシェアを約1年で伸ばしている。特にUberにとっては米国で稼ぎ、他国に資金を使い、シェアを握ってプラットフォームとしての地位を確立するのが基本戦略という理解で、米国でシェアを奪われることはその世界戦略に影響すると思う。
http://bit.ly/2AT2xGl
ただ、Lyftは米国外では展開をしていない(か、始めたばかり。下記は2017年1月の海外展開を計画しているというCNBC記事)。
一方で地域単位では、中国ではDidiにすでに買われ、東南アジアではGrab、またインドではOlaといった地場アプリがある。そしてLyftを除けば、Uberも含めて全てに投資をするソフトバンクという図式。
http://cnb.cx/2ATQCIi
タイムリーに、今日日経ビジネスもUberと比較したリフトの記事がある(下記)ので、併せて読みたい。
https://newspicks.com/news/2682132ブラジルでも4つアプリ使ってますが車が来るまでの時間とか値段とかはだいぶ同じような感じになってきました。
なのでちょっとしたユーザビリティの違いが命運を分ける気がします。地図上で呼んだときにちゃんとくるとか、キャンセルが反映されてなかったとか、アプリによってはちょいちょい気になるレベルでエラーが出るんで。
あとは車のグレードとか運転手の態度とかはありますが、僕はヘビーユーザーなんでどのアプリでも優遇されるカテゴリーに入っちゃうんでそこもあまり変わらなくなってきました。