エアバスA380、なぜ10年で旅客機のステータスシンボルから凋落したのか
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これは、当然の流れである。
A380に限らず、巨大航空機のプロジェクトは、
過去に沢山の企画倒れを、起こしている。
私がマグダネルダグラスにいた、1995年には
ロングビーチ、カリフォルニアにMD12と言う
総二階建ての、木で作ったモックアップが
あったのを良く覚えている。
同じ理由で、超音速機も企画倒れの連発である。
考えれば当たり前である。
結局、行きたい場所までの移動時間が大切で、
飛行機が小型で、遠距離飛べて、燃費が良いと
小さな空港から小さな空港まで、直接飛べるのである。
一体どれくらいの無駄な乗り継ぎや、乗り継ぎ失敗を
皆さんは経験した事があるだろうか?
直行便程ありがたい物は無い。
過去に、地方空港が無駄と言う話があったが、
この航空機の燃費革命により、意味がでてくる。
シーメンスでは、エアバスと組んでハイブリッド航空機
を開発している。
http://japanese.engadget.com/2017/11/29/2020/
A380は、乗ると素晴らしい機体である。
恐ろしく安定していて、かつ振動が少ない。
しかし、誤解を恐れずに言えば、戦艦大和の様な
もので、世の中の流れからは、外れている。確かにA380は、ハブアンドスポークかポイントツーポイントか、という航空需要の読みを誤ったという面は否定できませんが、もっとも不運であったのはデビューがリーマンショック前後の航空燃料の高騰の時期にあたってしまったことです。
A380を発注できるのは各国のいわゆるレガシーキャリアであり、新興航空会社にはとても手が出る代物ではないのですが、そのレガシーキャリアがそろって4発機からは手を引き、双発機である777や787にシフトしてしまったのです。しかしエアバスも黙っていたわけではなく、A380デビュー前の2006年にすでにA350XWBとして777に正面から対抗できる機種の構想を発表していました。
つまり、大型機がそうそう売れないであろうことはすでに分かっていたし、それを見越して双発機を売って利ざやを稼ぐという前提で動いていました。現に、747も新型の747-8については旅客型は航空会社には40機ほどしか売れていません。ボーイングもエアバスも、大型機はフラグシップとしての位置づけ以外には大きな意味をなしていないのが現状です。
ただし、これから大型機にまったく未来がないかというと必ずしもそうは思いません。経済発展の著しい国では空港整備が追い付かない面もあり、発着枠が少ない中で多くの旅客を捌くために大型機の需要が今後出てくるかもしれません(たとえば日本は羽田が拡張されるまでは国内線専用の747を調達し、羽田から伊丹や千歳、福岡など幹線に飛んでいました)。
また、ビジネスモデルとしてもエティハド航空のファーストクラスよりも上位にあたる最上級クラスの「ザ・レジデンス」のように、富裕層向けのビジネスを展開できれば、運航コストの高さに見合うだけの運賃収入が手に入るかもしれません。
なにかうまいやり方はあるようにも思われるので、そこにチャレンジできる航空会社があるとよいのですが、現状お金に余裕があるのは産油国の航空会社だけで、それも政情不安のあおりを受ける可能性がありリスクはとらない傾向にあるというのが残念です。