【SPEEDA総研】世界旅行のトレンド、日本の戦略
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前回はインバウンド需要を日本国内から見るものでしたが、今回は外(世界)から見た状況をまとめました。
世界の旅行市場の中では日本は「そこそこ」というのが実態だと思います。名だたるリゾートや大規模な世界遺産がある各国の中で魅力を感じてもらうのはなかなか大変です。
中国からの旅行者は今後も増加すると思いますが、顧客層も求める内容も変化していくと思います。政府主導ももちろんですが、企業レベルでもより戦略的な展開を期待したいです。確かに、タイには中国人観光客が凄く多いし、店も中国語対応というところが、ここ数年で一挙に増えた。この分野に詳しいタイ人から聞いた話では、華南地域からが多いらしく、海外旅行の経験の少ない、初めて、という人が結構多いとのこと。
日本人はビザなしや、オンアライバルビザで世界のかなりの国に行けます。これはそういうパスポートを持っていると疑問に思わないのですが、実はすごいこと。普通は事前にビザが必要とか、チケットがないとだめとか、色々あるのですが、日本パスポートは世界有数の自由度。
ビザ申請が複雑で厳しいインドでさえも、空路6空港に関しては、日本人はオンアライバルでいけます(ただし行く前に必ず確認)。前回のインバウンド記事(下記)と併せて読みたい。
訪日外国人客数へ一番効いているのは世界GDPだった。今回の一人当たりGDPと家計消費におけるレジャー関連費のグラフが、豊かになるにつれて家計消費でレジャー支出の割合(実額はもちろん増えるが、割合がキー)が増えることとも整合。経済成長しながら割合が増えれば、よりお金がかかる国外旅行に行ける。
そのなかで、中国の中間層の拡大が都市部で見込まれることは、今後の一層の拡大も期待できそう。
アジア全体でも、ホテル供給が増加する中でもホテル稼働率がおおむね上昇しており、需給バランス的にはタイトなほうに傾いている様子がうかがえる。
https://newspicks.com/news/2647742
他に面白いなぁと思ったのが、ホテル稼働率の月ごとのパターンがアジアと欧州で違うこと。
欧州は夏のバカンスシーズンがピークとなる綺麗な山(スペインとか南欧だと避寒のために少し違うトレンドもあるかもしれないが)。アジアは、3月(なんだろう?旧正月だったら2月が上がってもよいはずだが)や10月(国慶節?)にも上がっていくのが興味深い。
あとは、インバウンド・アウトバウンドの比率のグラフも興味深い。イギリスは大陸ではないからともかく、ドイツは圧倒的にアウトバウンドのほうが多いのに対して、フランス・スペインはインバウンドのほうが圧倒的。イタリアはそこまで偏っていない。
そしてGDP・国外旅行者数のグラフや国内・国外旅行者数のグラフを見ると、USが地理的要因ゆえに国内旅行に大きく傾斜しているのが伺える。国内旅行が人口の6倍という点で、旅行をしていないわけではないし、そもそもレジャー予算も一人当たりGDPに沿って高め。ただそのアロケーションが国内で行くところが多いこと、国外に行こうとすれば南米・カナダ以外は相当予算的に一気に拡大する(価格感応度的なハードルが高い)のが影響してそう。