「オピオイド依存」に救いの手、新興企業が画期的な疼痛緩和治療
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おそらく最も合法的に麻薬を使う機会の多い仕事をしています。
まず、麻薬は実際に痛みのある時に使う場合、基本的に依存性にはなりません。手術中の鎮痛は麻薬を使用するのが基本です。
ただ、慢性疼痛の場合に長期間で麻薬を使っているとその薬が効きにくくなることはあります。これはいわゆる非合法的に麻薬を使っている人がなる依存性や中毒とは少し違って、その薬に耐性が出来たということ。作用の少し異なる別の麻薬で対応します。
痛みの感じ方は人それぞれなので、それでも鎮痛が上手く行かないひとがいるのは事実です。
日本人は麻薬と聞くだけで抵抗を示す人が多くて、がんの疼痛にも麻薬に抵抗を示す人が多いけど、正しく使えば中毒や依存性になるものではないです。医学的にオピオイドは、オピオイド受容体に作用する薬物の総称です。例を挙げれば、アヘン、モルヒネ、ヘロイン、フェンタニルなどが該当します。医療の世界で麻薬というとオピオイドを指しますが、一般的にそして法律上は麻薬はもっと広い概念で捉え濫用性のある薬理物質が指定されます。例えばコカイン(医学的には局所麻酔薬)、覚醒剤、ケタミンなどはオピオイド受容体に作用しませんが、法律的に麻薬指定されて厳密に管理されています。大麻の薬理成分であるテトラヒドロカンナビノールは、カンナビノイド受容体に作用して効果を発揮するため医学的には麻薬ではありません(もちろん法律的には麻薬です!)ので混同されないようご注意願います。ちなみにjournal of neuroscienceに掲載された木村先生の論文を拝読しましたが、大麻によって神経ネットワーク形成が阻害されるとは一言も書いておらず、今後さらに研究される必要があるという表現にとどまっていますので、二次情報(キュレーターの恣意性が必ず反映されます)に踊らされず一次情報(科学的な事実)をしっかり確認されるのが良いと思います。ちなみに私はとくに医療用大麻推進派ではありません。
逆に、日本ではなぜか処方されるのを嫌がる方が多いですね。
癌のターミナルステージで痛みが出てるのに、まるでモルヒネ製剤が命を縮めると思っているようです。
知っておいてほしいことは、適切にコントロールすれば、モルヒネで寿命が縮むことはまずないということです。むしろ痛みを取った方が予後も良いと感じています。
オピオイドのコントロールはそれなりに専門的知識が必要なので、信頼できる医師、薬剤師さんに相談して頂きたいです。