共通の銀行預金保険、不良債権問題対処なければ導入できず=ECB総裁
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EUにおける銀行監督の一元化がスタートして数年経過しましたが、当初の重要な眼目に位置づけられていた共通の銀行預金保険制度「欧州預金保険スキーム(EDIS)」について遅れが目立ちます。
本件も、イタリアの銀行問題を背景に導入の道のりに険しさが増しています。
そもそも欧州の預金保険制度は国ごとに大きなレベルの差が存在しており、日本のそれに比べ極めて後進的です。「持てる国」から「持てない国」への所得移転の色彩が極めて強いEDISは銀行同盟3本柱においても永年の課題と位置づけられます。本来、今年7月までは第一段階の議論を終えているはずでしたがご案内の状況です。とはいえ、私個人としては2013年に本格議論がスタートしたことを考えると、欧州銀行同盟の進捗スピードは(欧州にしては)相当早いと評価しています。これは監督機関としてECBの力を利用したことが大きいのでしょう。法的には別期間や条約改正の問題がまだ残りますが、得てしてこの問題は進みづらいと割り切っています。