東芝、6000億円の増資決議 今期末の債務超過回避
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注目のコメント
正式発表されました。
本第三者割当増資のポイント:
・調達額: 6000億円
・ストラクチャー: 第三者割当増資
・ディスカウント率:金曜日の終値に対して10%(有利発行とならないギリギリ)
・希薄化率: 54%(プレ)
・割当先の投資家: 合計60投資家程度。大量保有報告書を提出済のエフィッシモにも割当て。割当後のエフィッシモの保有割合は11%で、主要株主であり筆頭株主
・資金使途: 米国原子力発電建設プロジェクトに係る保証の早期弁済
・払込日: 2017/12/5
・プレースメント・エージェントはGS(←「引受け」ではない)。GSが海外投資家の需要を調査し、個別交渉を実施
・その他: プレスリリースは充実した記載。増資に至った経緯や、公募増資(証券会社による引受けは困難だ、など)やライツオファリングでなく第三者割当増資を選択した理由も記載
【個人的な感想】
見たことのないストラクチャーで、画期的なディールです。特に、ガバナンスの問題などから証券会社が「引受け」を行えない中、証券会社がプレースメント・エージェントとしてアサインされ、発行体のために投資家を募り資金調達を実施するところが、クリエイティブです。
出所: 7pm頃に開示された東芝のプレスリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/index_j.htm<追記>開示が出た。投資家リストを見ると、全部は分からないが、壮大なヘッジファンドリストになっている…<追記終>
6000億円増資、複数の海外ファンドに対してなのだろうが、エフィッシモも含まれるというのは興味深い。
既にエフィッシモは東芝に投資をしていて、一番新しい大量保有は下記の4月7日付のもの(報告義務発生は3月31日)。その時点で9.84%保有。
どれだけエフィッシモが引き受けるか、またほかの投資家がどこなのか、そして何より発行条件が気になる。金融危機の際にバフェットがGSを引き受けた時には相当に有利な条件だったし。
http://www.kabupro.jp/edp/20170407/S100A184.pdf
あと、本記事の書き方を見る限り
・普通株
・メモリの売却は前提となっている
ように見える。
第三者割当が報道された時のPickは、コメント欄が極めて豊かで、是非合わせてみていただきたい。
ちなみにお作法として東芝のHPを確認したが、昨日の下記の報道に対しても、今日の決議したという報道に対しても、何のリリースも出ていない。
https://newspicks.com/news/2635299説明会で増資もありとコメントしており、想定内だが、エフィシモなどが含まれていることが面白い。
従来から、TVその他でも、コメントしていたが、外資ファンドは上位株主であり、メモリ以外の東芝の価値を高く評価、割安だとしていた。
今回の上場基準は、実態は債務超過ではないのだから、こういう投資は有効だろう。
これで、外資ファンドのアレルギーがなくなれば、素晴らしいともいえるし、経産省なども前進だ。一歩進んで、中国もOKでは?