iTunesストア誕生の裏でSonyに起きていたこと~スティーブ・ジョブズが音楽産業にもたらしたもの
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「Sony MusicはCDを守るためAppleのiTunesに反対していた」と信じている方には、この舞台裏は驚きの事実となると思います。それは日本が「失われた20年」に入った背景でもありました。21世紀初頭、ジョブズはApple復活のためにスカリー流のアメリカ式経営を捨て、Sonyの盛田流の経営を取り入れiPodとiTunesを創りました。一方で、出井さんが創業者世代と差別化しようとアメリカ式経営を取り入れたSonyは失速(Aiboも廃止)。日本の「失われた20年」のきっかけとなったことは象徴的な出来事でした。Aibo復活、二十年来の株価復活、iPhone X発売を記念して、休日の読み物にどうぞ
追記)実は、Sony Musicってむかしからかなり先進的な会社で、Apple Musicが始まるよりもずっと早く定額制配信へ舵切りしてずっと好調です。Sony Music Japanもプレステ、着うたを産んだ過去がありますが、いちはやくライブ重視に舵切りし、今はアニメとスマホゲームが絶好調で、Sonyの金融系に匹敵する黒字を出しています。国内報道とのイメージのズレですね。
訂正)図のスマホ市場の数字が一桁ずれてましたので修正。すみません。"マイクロペイメントは歴史の節目節目で、レコード産業を助けて来た。
1930年代。無料のラジオに有料のレコードは太刀打ち出来無かったが、iTunesの先祖、ジュークボックスがワンコインの気軽さと友だちとのお気に入り音楽のシェアを武器に、レコードの売上を倍にした。
1950年代。安価なシングルがロックと共に普及しだすと、アルバムの買えなかった若年層を、レコード産業の主要顧客に変えてくれた。
《中略》
無料に勝る利便性。Napsterを創業した20歳のショーン・パーカーが予言した、有料が無料に唯一、打ち勝つ道だった。ジョブズの狙い通り、ユーザーとレコード産業の取引がここに成立した。
「アーティストへの気配り、楽曲保護への気配り、革命への気配り、そしてユーザーがすぐに音楽を入手できる気配り。みんなのことが配慮されていて、取り残されている人は誰もいなかったわ」
壇上のスクリーンに写ったアラニス・モリセットは、ミュージシャンを代表してiTunes革命を肯定した。
「テクノロジーの進化と、スピリチュアルな配慮。ふたつが究極の融合を見せていると思う」
それはスティーブ・ジョブズの人生を讃えるのにもっとも本質的なことばだったかもしれない。復帰後のジョブズは、テクノロジーの進化で世界がよくなるとは信じなくなっていた。
かわりにできること。それは、最高の作品を提供することで、人類の精神によい影響をもたらすこと。それが天命とジョブズは心に期するようになった。"真の革命家は壊すのではなく新しい調和を作るのかも『「アーティストへの気配り、楽曲保護への気配り、革命への気配り、そしてユーザーがすぐに音楽を入手できる気配り。みんなのことが配慮されていて、取り残されている人は誰もいなかったわ」壇上のスクリーンに写ったアラニス・モリセットは、ミュージシャンを代表してiTunes革命を肯定した』