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イタリア銀行の不良債権、第2四半期にユーロ圏最高の500億ユーロ減

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    野村総合研究所 金融デジタルビジネスリサーチ部 シニア研究員

    もちろんイタリアにとって良いニュースであることは事実ですが、いくつか留意すべき点があります。

    第一にイタリア銀行(中央銀行)が公表するデータによれば、グロスベースでの不良債権の発生は減速しつつも高水準である点です。

    第二にイタリアの経済成長率は、他の主要国に比べて引き続きunderperformしていることです。

    第一の点は、記事が示す不良債権残高の減少が、主として処理の進展によってもたらされたことを示唆します。それ自体良いことですが、これは収益やノウハウの点で有利な大手銀行中心の動きであることも示唆しており、イタリアの金融システム問題の焦点である地方の中小金融機関が引続き取り残されていることが懸念されます。

    第二の点は、金融機関全体の収益力を低位に維持することで、不良債権の処理能力を制約し続けることを意味します。この点は、EUの枠組みの制約や財政状況のために公的資本の活用に限界にあるイタリアにおいては一層大きな問題です。

    様々なsafety netのおかげでシステミックリスクが劇的に顕在化する蓋然性は低下しましたが、イタリアの不良債権問題が時間をかけて問題の緩和に取り組まなければならない状況に変わりはないように見えます。


  • ユーザベース SPEEDAアナリスト

    井上さんのコメントをぜひご覧頂きたい。
    ちなみに、イタリアの不良債権は欧州でも最大規模なのだが、担保や実質保証がついている割合も高い。
    https://newspicks.com/news/1661570


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