IS標ぼうの「イスラム国家」事実上崩壊 ラッカが陥落
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最後までISが保持していたラッカ中央病院に篭っていた戦闘員が降伏し、2014年1月以来ISの首都として、象徴的な地位にあり続けて来たラッカは11ヶ月の攻防戦の末陥落しました。
残ったISの支配地はイラク国境の町アブカマル、そしてデリゾール市街地の一部、ハマ近郊の一部農場のみとなりますが、軍事的にはラッカはすでに単なる消化試合で、最後の拠点であったマヤディーンが先日陥落した時点で、既にISは組織的抵抗力を失っていました。
もはや全支配地域の解放は時間の問題です。
ISは事実上壊滅し、3年9ヶ月に及んだIS戦争は事実上終焉したといっていいと思います。
しかし平和の訪れは決して目前にあるわけではありません。
昨日イラク軍がIS戦争以来クルド人が占領し続けて来たキルクークに侵攻しました。
クルドのベシャメルガがイラク軍との戦闘を避けて撤退した為、イラク軍はほぼ無血でキルクークを奪取しましたが、そのほかのクルド占領地もそうなる保証など何もありません。
ラッカもキルクークと同様元々アラブ人の地です。
クルド人がここに長居するようなら、シリア軍はイラクと同様必ずラッカの奪還を試みるでしょう。
又ラッカに近いアフリーン近郊には既にトルコ軍の大軍が集結しており、IS亡き後、シリアのクルド人国家樹立阻止に向けて動く可能性は、かなり高いと考えられます。
正直なぜアメリカが、後々揉めることがわかっていながら、クルドにアラブ人の都市を攻略させようとしたのか、私にはその意図を掴みかねます。
ISは元々イラクのテロ組織、イラクの聖戦アルカーイダ機構、そしてそれに同調するサラフィ主義者がシリア内戦の勃発に伴い、周辺諸国が目論むアサド政権の打倒のために利用され、成長した組織です。
その文脈で考えた時、シリアの再統一を本当に周辺諸国が許すのかどうか、その次第によっては第2、第3のISが登場しないという保証もないと言えるでしょう。
とはいえ、全ては明日以降の話です。
今日はまずはラッカの陥落とISの壊滅を祝いたいと思います。ISは、イラクのザルカーウィー派からの流れです。なので、指導者はアブ・ウマール・バグダーディ(バグダッド)。
テロリズムの歴史は、紐解いていくと社会矛盾の合わせ鏡のようです。