【SPEEDA総研】エネルギーの観点からEVシフトを考える
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昨日まで海外IR(ノンディールロードショー)に出て、機関投資家との1 on 1を行いました。投資家から出た質問や関心の中で、想定外に多かったのがEVと再生可能エネルギーの関係性です。
時価総額の大きい自動車セクターへ投資している方々にとってはEVの行方は重要なテーマです。そしてEVの裏にある電源(化石燃料 vs 原子力 vs 再生可能エネルギー)は、CO2を排出しないものでないと意味がないよね、というような連環です今回は、EV含む電動車両をエネルギーの観点でまとめました。
自動車産業は環境規制とともに拡大してきましたが、これまでは技術的な制約から、電源と直結する話として認識することが難しかったように思います。しかし、既存領域である動力源の開発と、新しい領域である自動運転システムが融合することにより、今後はより一貫した議論が活性化していくことが期待されます。
来月は東京モーターショーですが、直近でどのような製品事例が出てくるかも気になるところです。米国を例に、EVシフトでどれだけ電気が必要になるかを、試しに計算してみた(合ってるか不安、間違っていたらツッコミいただければ…)。
米国には年間の自動車走行距離統計というのがあり、それを見ると2015年の年間走行距離は3.13兆マイル(トラックとか全部含めて)。一応確認するために、ざっくり3億人で割ってみると、一人年間1万マイル、1日30マイル弱。
http://bit.ly/2fEaJC7
次に、大体今のEVの100マイルあたりの電池消費容量は30~40kWh。Tesla Model Sを使って、38kWhとする。
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1206/22/news099.html
現在の走行距離(トラックとか全部ごちゃまぜの極めて粗い前提)について、EVはほとんどないので、それを0%→100%EV化すると、必要な電力量は約8200億kWh/年。
2014年の米国の電力消費量は4.1兆kWh。なので、8200÷41000≒20%くらい、完全にEVシフトすると電力消費量が増える計算となる(はず!)。
https://www.globalnote.jp/post-3717.html
<以下計算しながら思ったこと>
自動車の走行距離は過去トレンドを見ると増加トレンド。一方、電費も改善するだろうし、発送電効率も上がるかもしれない。ただ、ここらへんは前提を置きすぎるとよく分からなくなるので、まずはシンプルにAs-Isで。
現実論としては、発電した電気は、系統では基本的に貯められない。なので夜間に充電するなどが必要だが、再エネとの組み合わせでは夜間はソーラーはない(ソーラーはボラが大きいが、日中のピークと連動するという特性は使いやすい。ただボラが大きいゆえに系統負担が大きく、依存度を上げすぎることは厳しいという認識)。
夜間需要、再エネのボラ、系統負担含めた安定稼働のためにどれくらいの発送電サイドのインフラを整えるか、ここらへんの組み合わせは重要。