「体調が悪いから会社に行けない」というのはウソ? - アルフレッド・アドラー100の言葉
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アドラーは言わずと知れた超一流の心理学者であり、私には彼を批判するような資格はない。
しかし、やみくもに、会社に行きたくないという目的が先にあり、その理由として不安を後から作り上げるというのには、何となく違和感を覚える。
人間の脳は五感をはじめとした様々な感覚器官をセンサーにして身体内外の変化に関する情報を入手している。その反応として無意識のうちに情動反応が起こる。この情動反応には大きく快情動と不快情動に分かれる。
この時、快情動反応に対しては、もっと快の状態を継続したいので、快の原因に近づいたり、繰り返そうとしたりする。不快情動反応に対しては、不快から逃れたい、不快を消し去りたいので、逃避・攻撃行動に出る。これらをそれぞれ快情動行動、不快情動行動という。
人が不安などを言葉にして意識出来るのは、その後である。
確かに、そういう意味では、言語化された会社に行きたくない理由は後付けであり、先に会社に行きたくない、外出したくないという不快情動とその結果による不快情動行動が起こっているのは間違いないのだろう。そして、会社に行かないという現実の意思決定を前にして、認知的不協和を解消するために、行かない、行けない理由をつけているのだろう。
しかし、その不快情動行動は何らかの身体内外の変化に対する脳の反応の結果であるはずだ。
その脳の反応の原因となっている身体内外の変化を科学的に捉えることが大切なのではないだろうか。
お医者さんは、それを見つけるために検査や問診をするのだし、どれだけ分かるかは議論の余地があるが、今流行りのIoT、ウェアラブルセンサー等でストレスチェックするのも、そのためでは。
ただ、一方で、人の脳が意思決定する時には、脳の外、すなわち身体内外の情報と脳の中にある情報(知識、経験、文化、本能)を使っており、実は脳の中の情報の影響が大きいという。あれこれ思い悩むのは脳の中にある情報の影響が大きいということだ。
だからこそ、「一瞬で自分が変わる100の言葉」かどうかはわからないが、言葉をきっかけに考え方次第で行動も大きく変わるということか。さすがアドラー先生だ。
結局、言葉の力、言霊と、サイエンスの力、データをどう使うか。状況に応じて、両方からのアプローチが必要なのか。