阿呆な私と阿呆な投資の「教科書」
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極めて単純明快かつ正鵠を射ている論考です。「損切りをする可能性が生じるような水準までポジションを取るな。」というのは要するに「分相応にやれ」ということでありましょう。職業柄、投資について相談を受けることがありますが、私は必ず「なくなっても良いお金でやればいいと思う」と返しています(具体的に○○が良い、などは絶対言いません。責任取れませんゆえ)。結局、これも煎じ詰めれば、値動きに一喜一憂して人生を左右してしまうほどのポジションを抱えるのは小幡先生の仰る通り、全く持って聡明とは言えません。
機関投資家でもない限り、投資で生計を立てる必要は無いはずですから、「分相応にやれ」というのが最高の真理に近いのは間違いないと思います。損切りをためらう個人の行動は、行動ファイナンスで「処置効果」、「現状維持バイアス」、「認知的不協和」などケースによって様々な説明が可能ですが、一番しっくりいくのは処置効果(損失が出ているときには損失を確定するよりも、更なる損失を被る危険を冒してでもその縮小を狙うことを好む)ということでしょうか。
損切りについては短期売買と長期投資で考え方が異なります。そもそも「損切りをする可能性が生じるような水準までポジションを取るな」というのは両者どちらの場合でも重要ですが、たとえポジションが過大でなくとも短期売買に徹するのであれば損切りが必要となる局面はあり得ます。
この時に最もやってはいけないのは事前に短期売買に徹すると決めたのにもかかわらず、なし崩し的に長期投資だと思い込んで塩漬けにすることです。こうなると大概は価格が元の水準に戻るのに無駄に時間を食うことになりますし、またその間は精神衛生上も悪いと言わざるを得ません。
一方で最初から長期投資に徹するのであれば、自分がその銘柄を買って保有する理由づけを事前にはっきりさせておくことが最も重要で、その理由が保有している中で崩れることがなければ含み損が生じても損切りせずに保有しておいてそれほど問題ないかと思います。
要するにどういった投資手法、相場局面においても自分で自分を誤魔化すことのないようにするのが大事かと。実践するのはかなり難しいことですが、誤魔化すくらいなら割り切って阿呆になってしまったほうが実利を得やすいかと思います。