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イスラエルが長年クルド人を支援していたことは公然の秘密で、一時はイラクのクルド自治区から算出される石油の4分の3がイスラエル向けだったという話もあるほどです。
もしクルド人国家が成立すれば、中東に初の親イスラエルの緩衝国家が誕生するわけで、中東情勢に与える影響は計り知れないものとなるでしょう。
イスラエルがクルド人国家設立を支援するのはある意味自然なことだと言えます。

一方イラク中央政府は、こうした動きを警戒し、フセイン政権崩壊後、ジャラル・タラバーニ、ファード・マアスールと二代続けてクルド人を大統領に選出しイラクの一体性を守ろとしてきました。
しかしISとの戦いでアメリカの支援を受け、軍事力を飛躍的に向上させて自信をつけたクルドの分離傾向は止まらず、9月25日の住民投票ではクルド独立派が多数を占めることはほぼ疑いないと考えられています。

イラク中央政府が独立に強く反発しているのは当然ですが、特にIS戦争の中でクルド自治政府が占領した油田都市キルクークの所属問題、チグリス川、ユーフラテス川の利水権問題は互いに一歩も低く構えを見せていません。
もしクルド自治区がイラクから独立すれば、イラクは石油収入の20%と水利権の半分を失うと考えられます。

国家を持たない最大の少数民族であるクルド人の独立には、周辺国家で自国内にも多くのクルド人を抱えるトルコ、イラン、シリアはいずれも反対の意向を示しています。(ただしトルコはイラクのクルド人については融和的、シリアのクルド人については壊滅も辞さない強硬姿勢です)
独立を支持するイスラエル、その後押しをするアメリカと、独立に反対するトルコ、シリア、イラク、イラン、そしてその後押しを受けたヒズボラのようなシーア派武装組織との間で、武力紛争になる可能性も決して否定できません。

クルド人問題は、取り扱いを一歩間違えると地獄の釜の口を開くことになる中東最大の爆弾とずっと言われてきました。

9月25日の独立を問う住民投票の行方には注目せざるを得ません。
世界中のユダヤ人には、親イスラエル派と反イスラエル派がいる。反イスラエル派は、ディアスポラ(離散)を神が自分たちに課した試練だと捉え、神が再びユダヤ人国家を与えてくれるのを無期限で待っている。これに対して、イスラエル(及びイスラエル支持派)の人々は、人為的な政治力でユダヤ人国家を作ることを認めている。どちらが正しいのか、私には分からない。ただ、イスラエルがクルド人国家の建設を支持する背景思想は理解できる。
口に出しちゃオシマイという話ですね。イスラエルとしては、むしろスムーズに住民投票が進んでクルド問題が「解決へ向かう」のを望んでいないのかもしれません。