空飛ぶクルマ「ホンダジェット」世界一の裏側
コメント
選択しているユーザー
注目のコメント
「技術者たちは、秘密プロジェクトのため、10年もの間、家族にすら自らの研究内容を口外することが許されなかった。」
前間孝則著「ホンダジェット: 開発リーダーが語る30年の全軌跡」 http://amzn.to/2euQTsC には面白いことが書いてあった.本田技術研究所内にプロジェクトを立ち上げたのが1986年とある.当時,本田宗一郎にもそのことをいっさい知らせていなかったそうである.あるとき,研究所を訪れた本田宗一郎と藤野さんがたまたまトイレでばったりあったという.藤野さんは,自分は飛行機の研究をしていると喉まで出掛かっていたが,そのまま何も言えずに別れた.結局,本田宗一郎は飛行機研究のことを知らずに亡くなった.それほどの徹底した守秘ぶりだった.
藤野さんのアイデアは主翼に上に置かれたエンジン.これがどれほど非常識と思われていたかは記事の通り.私は何年か前に藤野さんの博士論文審査の審査員を務めたが(藤野さんはうちの研究室の先輩),数値計算と風洞試験によって,遷音速域において,衝撃波の発生を遅らせ,造波抵抗を低減させられる最適なエンジンナセルの位置を見つけたことに独創性があります.
通常,このようなビジネスジェットはエンジンを胴体に付けるのですが,エンジンを支えるために胴体内を構造物(キャリースルー)が突き抜けることになり,キャビンを圧迫します.エンジンを翼に付けたことでこれが無くなり,広いキャビン空間が確保できました.また,主翼に思いエンジンを載せたことで,フラッター性能が良い方に効きました.
ただ不思議なのが,ホンダジェット後の他社のビジネスジェットでこの形態が引き継がれていない事.なぜか?
ところで,9月30日(土)13時より,東京大学本郷キャンパスで藤野さんの講演を企画しています.告知が出たらお知らせします.製品開発やそれにともなう組織ストーリーに興味がある方、ぜひ読んでほしい記事!
記事を読んでいて、ホンダジェットは今いちばん「ホンダっぽい製品」なのではないかと思った。ビジネスとして成功することはもちろん重要だが「うちっぽい製品」があることは組織の象徴として、士気の上でも重要。
下記の言葉とか、自分の頭のなかで勝手に「プロジェクトX」調に脳内変換されてしまう!
『しかも、技術者たちは、秘密プロジェクトのため、10年もの間、家族にすら自らの研究内容を口外することが許されなかった。』以前四輪車部門が拡大戦略でどんどんホンダらしさを無くしてる中で、ホンダジェットの話を聞いた時は信じられませんでした。
どうせ四輪車と同じで何処かに頼んでるんだろ、くらい。
そんな事はないんですよね。素晴らしい。
この記事もグッときます。