米国のオピオイド危機を狙う法律家 国家的問題と化す依存症、第2の「巨額たばこ訴訟」となるか?
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薬物中毒は、本当に深刻な問題です。2015年の薬物による死者は5万人を超えます(2000年の約3倍)。そのうちオピオイド系が3.3万人程度(同3.9倍)。薬物死に占める割合は、2000年の48%から63%にまで高まっています。
2015年の自動車事故死が3.8万人、ベトナム戦争を通した米軍犠牲者が5.8万人、朝鮮戦争が3.7万人。HIV/エイズでも、単年でのピークは4万人台ですから、その重みがお分かりいただけるかと思います。
中毒死の割合が高いのは、二つの地域です。一つは、ウェストバージニア、オハイオ、ケンタッキーといった、ラストベルト/アパラチア地域。そしてもう一つは、コネチカット、ニューハンプシャー、ロードアイランド、マサチューセッツといった東海岸です。前者は昨年の大統領選挙でトランプを支持した地域であり、後者は民主党の地盤です。その意味では、党派を超えた問題ということになりますね。
あまり知られていませんが、昨年の大統領選挙では、薬物対策重視を強調したことが、トランプ勝利の一因でした。就任後は対策委員会等を設けていますが、まだ取り組みは本格化していません。訴訟問題もそうですが、薬物の蔓延は労働者の確保を妨げる要因にもなっているとも言われており、各方面で問題が表面化しつつあるようです。