この連載について
100年以上もの間、「お買い物の王者」として君臨してきた百貨店が苦境にあえいでいる。米AmazonやZOZOTOWNなどのEC企業が台頭し、消費者の購買行動はガラリと変わり始め、百貨店は多くの消費者にとって不要な存在になった。役目を終えつつある百貨店の今を、NewsPicks編集部が追った。
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国内最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営。受託ショップの売上が中心だが、古着の取り扱いやフリマにも注力。コーディネイトアプリ「WEAR」も世界で展開中。商品取扱高の拡大と利用者数も好調に伸長。
時価総額
1.17 兆円
業績
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三越と伊勢丹が経営統合。百貨店事業を中心に不動産、カード事業、EC事業も手掛ける。基幹店の構造改革、支店・地方店・海外店・中小型店のビジネスモデルを再構築で収益回復を目指す。ニッコウトラベルを完全子会社化するなどシナジーの高い飲食、旅行、理美容に特化し育成。
業種
百貨店
時価総額
9,951 億円
業績
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あれから5年で株価は10倍近くに上昇。アナリストとして15年のキャリアの中で、今でも一番誇りに思ってる仕事です。
スタートトゥデイの凄さは大型連載でないと語り尽くせないので、企画時にはお声がけをお待ちしてます。久しぶりにお会いしたいので、前澤社長と対談させてください。笑
ZOZOTOWN の強さはプラットフォームがやるべきことを愚直にやり切っている点だと思います。ユーザー視点だとブランド横断の統一サイズ基準を作りZOZOが測り直してアップしてあるとか、ブランド視点だと自社だけでなく他社も含めた販売データを共有してくれるとか。
一方で、運営会社のスタートトゥデイの強さは「一勝九敗」を地で行くトライ&エラーの高回転かな、と。文中にもあったWEARアプリでのバーコード読み取り機能やZOZOCOLLE(一般向けの予約販売展示会)やZOZOフリマ(C2C)だけでなく、
・ZOZOMAGAZINE(予約販売専用雑誌)
・ZOZOMARKET(オンラインストア作成)
・ZOZOプレミアム/プラチナム(即日配送料無料)
・美少女ヌードル(TV番組連動)
・ZOZOTOWN CHINA(タオバオ内での中国進出)
などなど、盤石な本業での収益をその時々のビジネストレンドに投資し、ダメだとなったら重症になる前に撤退するスピード感が本業も含めて良い文化を作っているんだと思います。社名ぴったりすぎてすごい(笑)
最後に、個人的にはZOZOCOLLEやZOZOMAGAZINEのような事前予約販売はやり方次第ではまだチャンスがあるんじゃないかと考えています。「無駄なものを作らない」というサステイナブルな側面や「不良在庫が出ない/プロパー比率が高まる」というビジネスの側面、さらにカスタマイズの要素も入れば「自分だけの一着」というユーザーにとっての価値も付加されます。トランスコスモスが日本に持ってきた「テイラー・スティッチ」もクラウドファンディングを活かした受注生産の好事例でしょう。作り手の1人として、私もしっかりと取り組んで行きたいと思います!!
今のZOZOTOWNを「百貨」と表現するのには流石に無理があるでしょ。百貨店は呉服から食品まであるんだから。
アパレル一強がスタートトゥデイというのも違和感しかない。普通に考えて一強と言うならファーストリテイリングでしょう。近年業績伸ばしてるところでいうとマッシュスタイルラボやベイクルーズなんかもあります。営業利益率だけを見ての判断なんですかね。
ZOZOがどこまでの情報をアパレル企業に出し、どの部分を隠しているのか。どんなデータを使ってPBを作るのか。まだまだ謎に包まれた、スタートトゥディという会社をもっと知りたくなりました。
下記がZOZO(スタートトゥデイ)の2017年3月期通期決算説明資料。自分がポイントと思った点。
http://bit.ly/2uuQrgN
①商品取扱高は2121億円(YoY+33%)。
三越伊勢丹の売上(ほぼ商品取扱高ととらえて問題ないと思う)は1.25兆円、うち百貨店事業が1.11兆円(89%)。伊勢丹新宿本店が2686億円(百貨店事業の24%)、三越日本橋本店が1651億円(同15%)。
単体だと売上が6601億円(連結売上の59%)で、そのうち2385億円が衣料品(単体売上の36%、婦人服が1331億円)、雑貨が1276億円(同19%、半分弱が化粧品)、食料品が1442億円)(同22%)。
つまり、伊勢丹新宿3店舗弱分くらいの衣料品がZOZOで現状売れているが、連結の三越伊勢丹グループの衣料品全体のほうが大きい。
あと2016年度の総務省EC調査だと、BtoC衣料品市場は1.53兆円。ZOZOは14%程度を占める。YoY+11%で、ZOZOの成長率のほうが高い。
以下からは四半期資料。
http://bit.ly/2uvtWbi
②出店ショップ数の増加より購入者数の増加が大きい。現在の店舗数は987(3年前は685)、購入者は673万人(同360万人)。
これは、新業態として登場→ユーザー獲得→業態として定着→店舗増加→利便性が改善してユーザー数増加まで来た。ただユーザー数が増える中で、店舗増加の鈍化トレンドが変わらなければ、一人当たり年間購買額(品数なり単価なり)が増加しないと成長率は鈍化する。
④アクティブ会員の属性は女性67%、関東41%、平均年齢32.7歳
④アクティブ会員の年間購入金額は4.7万円、点数は10.7点。2017年3月四半期までピークアウト基調にあったが、直近四半期で回復。
⑤1年以上経過した既存アクティブ会員の購入金額は6.3万円、点数は14.1点。こちらはアクティブ会員とは違い、金額・点数ともに右肩上がり。残ったユーザーはどんどんZOZOで使っている。
⑥平均単価は4099円、平均出荷単価は8530円。単価は-10%前後で下落基調、出荷単価は昨年までは単価下落とほぼ同じだったが、ここ3四半期は単価下落より下落が小さい。
⑦スマホ比率は80%(3年前60%)、PCがいまだに21%あるのは意外。
ファッション楽天市場のファッションEC流通総額が、2012年の時点で3,567億円。ZOZOTOWNの2016年度流通総額が2120億円。楽天のファッションがZOZOTOWNやヤフーに市場を奪われ、半分になっていたとしても1,700億円程度。競合として楽天の話題が出てきても良さそうだが、そこに触れられる気配は全く無い。何を基準にファッションEC業界としているのか、基準を明確にすべきと思います。
この連載では百貨店として、三越伊勢丹などのファッション以外に、食料品や雑貨も販売している企業を挙げている。ZOZOTOWNが次世代の百貨店という事は、将来的に食料品や生活雑貨なども取り扱うと思って良いのだろうか。次世代の百貨店の定義を説明することなく、ZOZOTOWNを次世代の百貨店とするのは、都合の良い解釈をしている様に思えます。
この記事は「百貨店の終わり」の連載よりも、NewsPicks Brand Designで掲載した方が良いんじゃないでしょうか。
『「ZOZOTOWN」の4倍売れている――楽天のファッションEC事業戦略』
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/589359.html
ZOZOTOWNだけで、アパレル産業を支えるのはもちろん不可能。ブランドもリテーラーもそれぞれの改革が必要だと思います。