花王、1―6月期は7.7%営業増益 国内・中国で紙おむつ好調
コメント
注目のコメント
日本のエクセレントカンパニーである花王。その中間決算に関する記事です。
かなり遅いPickですが、後々のためにコメントしておきます(字数制限の関係で、会計周りにフォーカスして書きます。)
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花王は、2017年度決算から「IFRS第15号の早期適用」および「販売制度の改定」を行ったことにより、PL上の科目に少なからぬ変化が表れている点が興味深いです。
日本企業の中でも、早い段階でIFRS(国際財務報告基準)を導入している花王は、新たに公表された第15号(収益認識基準に関する原則)の早期適用を今年度から行いました。それによって
1 物流・運送費・人件費の一部が販管費から売上原価へシフト
2 販促費の一部が売上高から控除
されることになり、販売制度の改定によって
3 販売手数料の一部が売上高から控除
されることになりました。
1の売上原価へのシフトは、営業利益自体には影響を及ぼしませんが、こにより売上原価がグッと増えています。
2・3は、売上高の減少のように見えるのでインパクトが大きいように思います(これらは、直近の決算説明会資料(①のP4・5参照)で確認ができます。)
IFRSは原則主義(①)であり、かつ現在も原則の改定や公表が続いているため、企業の裁量如何で財務数値の内訳が異なりやすいです。
そのため、経年での比較や、他企業との財務比較の時には注意が必要だと感じました。
① 花王 2017年度決算説明会資料
http://www.kao.com/jp/corp_ir/imgs/presentations_fy2017_q2_01.pdf
② 原則主義と規則主義とは
http://ifrs.kazuyasu.com/point/ifrs-3/
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話は少し変わりますが、花王はEVA(②)という指標を1999年に日本で初めて導入したことで有名であり、他企業に比べて資本コストへの意識が高いと拝察しています。
人口に膾炙しているとは言い難いEVAですが、ROEより包括的な上位概念と考えていただければと思います。関連記事が出てきたら、その時ガッツリ書きたいと思います笑。
③ 企業経営のための指標としてどの点でEVAは優位性があるのか
https://www.recruit-ms.co.jp/issue/feature/0000000130/1/日本ではリアルの販売面積を確保するために、男の子用と、女の子用を販売しているメーカーがあるが、中国ではリアルよりも圧倒的にECなので、その必要がない。中国では、沢田さんの仰る通り、化粧品とおむつのEC化率と、売上の伸長が凄まじい。ECはリアルと違って、一度シェアを奪われると逆転するのが至難なので、中国EC元年以降、どの企業もECに注力している。