フランス、40年までにガソリン・ディーゼル車の販売終了へ
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スウェーデンは2006年にオイルフリーソサイエティ構想(På väg mot ett oljefritt Sverige)を掲げていましたが、政権交代ですぐに消えてしまっていました。この構想では、2020年までに自動車用の石油消費を40-50%削減するなど、というものでした。
昨年の春、オランダで2025年までにガソリン・ディーゼル車の販売を禁止する法案が提出され、既に下院を通過しているとのこと。ノルウェーでも同様の法案に与野党合意との報道があり、続報によると禁止ではなく税制によるインセンティブを「計画」し、販売ゼロを「目指す(hope)」とのこと。2030年にすべきとの意見もあります。ドイツでも2030年までに禁止する旨の要請を政府に対して行う決議案が可決。さらにそれにスウェーデン政府が肯定的なコメントをしています。
EUでも、2011年に2050年に従来車をゼロとする交通白書をまとめています。2050年にゼロにするには2030年に販売を禁止し始めないと間に合わないでしょう。
https://ec.europa.eu/transport/themes/strategies/2011_white_paper_en
都市部への乗り入れ規制というレベルでは、ノルウェーのオスロで今年1月から朝6時から夜10時までディーゼル車の走行が禁止されました。これまでディーゼル車販売を奨励していたこともあり反発もあるようです。
メキシコシティでも2025年にディーゼル車の走行全面禁止という動きもあります。
インドでも今年6/4に2030年以降は電気自動車のみ販売との方針を発表しています。
トヨタでは2015年10月に「トヨタ環境チャレンジ2050」というビジョンを発表し、2050年に新車からのCO2を90%減とする目標を発表しています。
日本政府は、経産省「エネルギー基本計画」、「長期地球温暖化対策プラットフォーム」、内閣府「エネルギー環境イノベーション戦略(NESTIの2050)ロードマップ」、環境省「長期低炭素ビジョン」、と関連の議論が目白押しですが、電力偏重で運輸部門の議論は弱いなと感じています。
確かに非常に厳しい目標ですが、21世紀は最初に脱内燃機関社会(運輸も産業も)、つまり脱石油を達成した国が生き残ると私は考えています。交通以外に物流もお忘れなく。フランス(海外県は除く?)内での販売を禁止しても、EUの他の国で買える。そのため、フランスでの販売が多いフランスの自動車メーカーとその雇用に最も影響がでるだろう。
ルノーとプジョーは統合することになるかもしれず、ルノー傘下の日産と三菱は大揺れになる。
自動車メーカーだけてはなく、エンジンとその構成部品の製造はもちろん、鋳造、鍛造製造、ブレーキ(エンジンの負圧を使うから)製造業も深刻な影響を受ける。基本的にエンジン用部品についてのその製造業自体が消滅する。
一方、EVとその構成部品やそれらの開発・製造技術は発展途上にあり、まだ「完成」形ではない。
こういう実態を飛び越えた政策は、政治的には正しくても、各所にノッキングが生じる。
公益(環境保護)に反する以上、原発と同じように、エンジン製造を最終的に消滅に向かわせる政策はやむを得ないか。それにしても、エンジンだけを責めても....。
追記
「インドも2030年までに同じ規制」とあるが、こっちの方がもっと深刻かもしれない。充電施設や車両開発は間に合うか?突然衝撃的な発表をするあたりは、如何にもフランスっぽいですが、冷静に見ておく必要はあるでしょう。
法制化したわけでは無いし、都心部に限定したEUの在来燃料車規制目標からも逸脱しているし、国境を越えて来る他国からの車を規制できるものでも無い。
最近フランス政府とルノーがうまく行っていないとの噂も聞くので、ルノーへの牽制も含めて、一挙にEUの環境問題でイニシアチブを狙う、政治的パフォーマンスの要素をどうしても感じてしまう。
確かにフランス車は、小型車が多く、プラグインハイブリッド等も加えれば、燃料転換はやりやすいかも。
また、VWの虚偽問題以降、先が見えなくなったクリーンディーゼル技術の次の本命は電気自動車と欧州カーメーカーが考えているのも事実。
とは言え、完全な自動車産業の構造転換を強いる「野心的な計画」はちゃんと根拠を確信してから発表してほしい。