イタリア2地銀が経営破綻へ 多額の不良債権で
コメント
注目のコメント
イタリアでは2015年ある閣僚が、自身の父親が副頭取・兄弟が重役を務める銀行の清算処理を阻止したとされる疑惑が浮上したり、今回の2行を規模で上回るモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(MPS)銀行に多額の公的資金が注入されたりと、近年銀行にまつわる話題につきません。
それらの銀行が現政権である中道左派・民主党に近かったことも、問題を長引かせた原因です。
そうした意味で、今回のECBの判断は、その場しのぎの応急措置でたびたび乗り切ってきたイタリアにとって、よい転機となるでしょう。
日常レベルでみると、イタリアの銀行の多くは、財政危機に陥っても国が助けてくれると思っていることもありリストラが進まず、支店がやたら多いです( 参考: MPS 2100、三菱東京UFJ 766 いずれも国内)。その割にリテールのサービスは最悪。長蛇の列は当たり前です。
幸いなのは、イタリア人は見知らぬ人とでも「今夜の晩ごはん」といった会話を楽しんで気長に順番を待っていることです。GDPの2割にあたる不良債権の処理はイタリア経済には大打撃でしょうね。日本では不良債権の処理を急ぎすぎて景気に大きな悪影響を及ぼした前例がありますが、不良債権の処理を急ぐか急がないかはまだ議論が割れるところです。