フィリピンの“IS”。本当は何が起こっているのか。
NewsPicks編集部
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フィリピンにもISが活動しているという報道をみかけます。特に5月半ば、ISに忠誠を誓うマウテ・グループが、南部のミンダナオ島にあるマラウィ市を占拠した事件は衝撃的です。
ただ、「IS」と一言では片付けられません。ミンダナオで活動する最大の武装組織モロ・イスラーム解放戦線は、政府との和平交渉にも応じてきています。過去の中央政府の失策も含めた歴史が生んだゲリラ組織であり、ミンダナオの人々の苦悩の反映でもあります。
本記事では、フィリピン政治やミンダナオ情勢に詳しい2人の有識者へのインタビューも踏まえて、ミンダナオが抱える問題について書きました。
非常に複雑な問題で、かなりポイントを絞って書きました。どこからみるかでも、見え方が違ってくる問題で、厚い本が一冊書けるほどの話題です。ただ、日本では(他の国でも)まとまって解説されることの少ないミンダナオ情勢の基本理解の一助となると思います。
日本とフィリピンの関係はますます緊密になり、ビジネスでもフィリピン進出が増えています。今こそ、「知られざる」ミンダナオ情勢についての理解を深める時ではないでしょうか。現地のイスラム教とはチャバカノという全く別の言語を話す上、キリスト教徒が大部分を閉めるフィリピンではタクシーに乗れないなど被差別側です。
また、ミンダナオ西部のジャングル地帯は雨季になると人の身長ぐらいの洪水に見舞われ、川には巨大なワニが住むエリア。
高層ビルが並ぶマニラとの経済的な格差、宗教差別などが複雑に絡み合った地域です。