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貿易赤字よりも、これまで急増してきた輸出に頭打ち感が出てきたことの方が重要です。輸出額の前年比はまだ2桁増ですが、輸出数量の季節調整値は3カ月連続で横ばい。米国・EU向けは伸びていますが、アジア向けが減少に転じたことが原因です(水準の話であって、前年比では増えています)。これまでアジア向け輸出を牽引してきた電子部品が調整局面を迎えた可能性があります。ただし、世界景気は決して悪くないので、アジア向け輸出の弱さも一時的なスピード調整で終わるかもしれません。
(別ニュースに書いたコメントを転載)
貿易収支が大切ではないとは言いませんが、より大切なのは経常収支です。

下記リンク資料の6ページにある通り、貿易収支は経常収支の四要素の一つでしかありません。

現在のわたしの仕事の一つに、海外生産拠点の国産化推進業務があります。現地で国産化した方がコストが安くなりそうな部品を選定し、日本から海外に技術移転を図り、現地事業体の収益を上げる仕事。

これにより日本からの部品輸出は減りますが、代わりにロイヤリティー収入が増え、現地からの配当収入も増えます。

確かに日本の製造現場の雇用は減るかもしれませんが、現地への技術指導などのより高度な仕事が新たに増えます。

仮に日本が貿易赤字になっても、経常収支で黒字なら問題ないでしょう。

2017年度わが国貿易収支、経常収支の見通し: 日本貿易会
http://www.jftc.or.jp/research/statistics/mitoshi_pdfs/2017_press_reference.pdf
既に今月7日に公表されていた上中旬分に基づけば、何とか黒字を維持すると見られていたのですが、下旬に想定ほど輸出が伸びなかったことと、想定以上の輸入の増加があったようです。輸出については世界経済の減速、輸入については米国からのシェールの輸入が影響していそうです。
5月の貿易統計。原油価格が前年比で上がっていることが影響し赤字転化しているが、輸出もきっちり増加している(数量指数の対前年比+7.5%)。これには記事が指摘するように昨年の熊本地震の反動増による部分もあるだろうが、アジアや中国向け輸出も順調に拡大している。さして心配するような数字の変動ではないと見ている。
貿易収支はそれ単体でも重要な計数ですが、昨今耳目を集める人手不足(供給政策)と合わせて読みたいニュースです。円安が景気浮揚に効果を持ちうるのは経済に需給ギャップが存在し、「円安→輸出増→生産増→所得増→消費増」といった具合に国内の稼働率が高まる場合のはずです。現状のように、人手不足が叫ばれる状況や既に生産能力の海外生産移管が相応に進んでいる状況を踏まえ、「処方箋としての円安」に疑義を唱える論調は今後一段と強まることでしょう。
平成29年5月分については、輸出は自動車、鉄鋼等が増加し、対前年同月比14.9%の増加。輸入は液化天然ガス、石炭等が増加し、17.8%の増加となった。その結果、差引額は▲2,034億円。ちなみに、季節調整値輸出額は、6兆3,298億円(対前月比▲0.0%)、 輸入額6兆1,960億円(+0.3%)で、 差引額は、1,338億円( ▲15.1%)となっている。
やはり原油、LNG、シェールガスなど化石燃料の輸入が効いているとのこと。当たり前だ。8割以上が火力発電なんだから。