原発新増設を明記、経産省が提案 エネ基本計画
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ウラン235の資源が100年と言われています。前の方が言われているように化石燃料には限りがあります。再生エネ還付金の国民負担が増えるからと売電単価を落としてますが、ベースをそのままでエネ還付金を増やすから問題なのです。原発の新設にまわす資金や電力会社の企業努力を使うべきです。
注目のコメント
基本のところから解説を。
まず、エネルギー基本計画は国の長期的なエネルギー供給に関する方針を打ち出すもので、3年程度を目途に見直すことが義務付けられています。前回の第4次エネ基本計画は2014年なので、今年もしくは遅くとも来年あたりには見直しを行うことが必要でした。
第4次エネ基本計画には、新規制基準に合格した原発は再稼働させていくことは明記されていましたが、新増設(建替え含む)には一切触れていませんでした。
しかしながら、40年もしくは特別な点検を受けて60年に延長したとしても、既存の原発はいつか「定年」を迎えていくので、新増設に触れなければ日本は2050年前後には稼働する原発がほぼゼロという状態になるわけです。
2050年に他に安定的安価に、そしてCO2も出さずに電力を賄うことができる手段が確立されていればよいのですが、そうでなければ原子力に頼らざるを得ません。いま国が方針を出さないと原子力事業・技術が国内では潰えてしまうという危機感から、国としては「認めないわけではない」ということを伝えようとする意図だろうといます。
新たに建設するほうが、技術も進歩していますし、建設を経験することで関係者の技術力も大きく高まるということもあるでしょう。
ただ、政府がいくら「認めないわけでなはい」といっても、「やる事業者がいるか」は別の話です。原子力は新設の時の初期投資も他とは比較にならないほど大きいので、事業者にとって資金調達等の負担も相当大きいものなので、自由化した国では政府の債務保証など何らかの支援がなければ、原子力にチャレンジしようとする事業者は現れないので。
これは「原子力の電気が(消費者にとって)高いか安いか」という問題とは別で、事業者にとっての投資判断のハードルが高い事業だということです。
その辺の詳細は
「電力システム改革下の原子力事業」
http://ieei.or.jp/2016/06/takeuchi160617/
http://ieei.or.jp/2016/06/takeuchi160621/
http://ieei.or.jp/2016/06/takeuchi160623/
をお読みいただければ幸いです。
ただ、本当に今回のエネ基本計画で原発新増設に踏み込んだ表記をするのかどうかはまだ私も確証持っていません。原発に関しての感情的なコメントは避けますが、米国エネルギー長官の来日直後にこの記事が出る事の意味を感じる。
(原子力は極めて政治的)
来年の日米原子力協定改定までに日本の方針を明確にする必要性
中国が台頭する原子力技術への牽制
国内原子炉メーカ救済策
原子力発電所輸出振興へのバックアップ
国内原子炉メーカー再編へのお土産
等々、政治的な背景を想像すればキリがない。
(原子力発電の経済性)
シェールガスによって、燃料としてのガス価格は半値
原発の事故は、日本最大の電力会社を実質倒産に追い込むほどのインパクト
福島での20兆円を超える廃炉費用
安全対策を強化した新基準で高騰する初期投資
米国では実質補助金などの優遇政策がないと成り立たないビジネスモデル
以上の、政治VS経済原則で考えて、どう判断しますか?
私は、40年稼働のルールと新安全基準での再稼働は基本賛成ですが、新設はビジネスとしては成り立たないと考えます。タイトルは若干ミスリーディングで、現時点で経産省としては提案を出しているわけではないですが、取りまとめ時に提案が載る場合の唐突感を和らげるのと、世論の反応を見るアドバルーン的な意味がありそうです。
2030年の電源比率はそのままですが、それでもリプレース・増設なしだとかなり40年以上の延長をつけないと難しいレベルだと思います。
となると、総合資源エネルギー調査会において当然そうしたことが議論の俎上に乗ることになるでしょう。人選も然り。
一方、世耕経産大臣は、
「現時点では新増設とリプレース(建て替え)は考えていない。有識者に検討をいただき、エネルギー情勢なども全部見て判断していく」
と述べています。
経産相、原発新増設考えていない エネルギー計画で
https://newspicks.com/news/2296572